三菱伸銅、医療施設向け銅合金材料を開発、変色なく高い殺菌性能

2013.07.27

三菱伸銅、医療施設向け銅合金材料を開発、変色なく高い殺菌性能
2013.07.26 化学工業日報



 三菱伸銅は、耐変色性と殺菌性能に優れた銅合金材料を開発した。
銅および銅合金は殺菌特性を持つことが知られているが、従来の銅合金は変色する課題があった。
銅と亜鉛からなる黄銅にニッケルを最適な比率で配合し、耐変色性に加え強度を大幅に高めた。
薄肉化、軽量化も可能で、さまざまな形状で供給できる。医療・福祉関連施設など感染予防対策分野に提案活動を始めた。

 銅と銅合金は医療機関における院内感染の原因菌に対して潜在的な殺菌特性を持つことが米国環境保護庁(EPA)により承認されている。
このため院内感染予防や衛生的な環境構築への活用が期待されているが、変色が実用化の大きな課題となっていた。

 開発した高性能銅合金材料「CleanBrass」は、一般的な黄銅にニッケルを最適配合することで変色の課題を解消。同サイズのスチール材と比べ約2倍の強度を持たせることができた。亜鉛の効果で純銅より殺菌特性に優れる。

 約2年間のフィールドテストを北里大学医学部と北里大学病院でそれぞれ行い、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌およびその耐性菌に対して優れた特性を実証した。供給形状としては条、板、管を中心に、ドアハンドルなどの鍛造品も可能としている。


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三菱伸銅/高殺菌性銅合金を発売/医療機関向けなど拡販
2013.07.26 鉄鋼新聞記事情報



三菱伸銅(本社・東京都品川区、社長・堀和雅氏)はこのほど、殺菌性が高く変色しにくい銅合金「クリーンブラス」の販売を開始した。銅をベースに亜鉛とニッケルを配合。
表面のイオン効果で細菌やウイルスを死滅させるほか、継続使用しても美観を保てる。
板条や管、棒などを医療器具メーカーなどに供給。病院で用いるドアハンドルやベッドの部材向け需要に期待。殺菌性を前面に打ち出した新合金は日本の伸銅メーカーとしては初。

医療向けの市場はO157や鳥インフルエンザなど感染症の抑制に向けた関心の高まりを受け拡大する見通し。

屋根材など建築向けが減少する中、殺菌力を生かした高付加価値商材で新たな分野を開拓したい考えだ。
殺菌力を生かしたビジネスを強化するため、同社では国際銅協会が特性を認定する1プラスマークを取得している、

組成は銅が54%、亜鉛が34%、ニッケルが11%。亜鉛で殺菌力を高め、ニッケルで変色を抑えた。板を溶接しパイプ加工した際の強度は鉄の2倍となっており、薄肉加工で軽量化ができる。
色は薄いシャンパンゴールドで周囲と調和しやすい。

北里大学病院でフィールドテストを実施しており、ドアハンドルとして2年間用いても変色や殺菌力の低下は見られなかった。
素材価格は黄銅よりも1~2割高いが、感染症の抑制コストを大幅に引き下げられる。

現在は複数の引き合いが寄せられおり、今後は医療機関のほか学校や図書館など公共施設での採用にも期待。

すでに組成や製法で特許を取得しており、他社へのライセンス供与なども視野に入れる。
将来的には年間数億円規模の売り上げが目標。現在は黄銅に近い色合いの合金を開発中で、今後は殺菌合金のラインアップをさらに拡大する計画だ。


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三菱伸銅/耐変色銅合金を発売/ドアノブなど採用促す/院内感染予防に効果
2013.07.26 日刊産業新聞



 三菱伸銅(本社=東京都品川区、堀和雅社長)は、医療施設の感染症予防などに最適な耐変色銅合金「クリーンブラス」を開発し、このほど販売を開始した。銅が本来持つ殺菌性を備えながら、ニッケルを適量添加することで、酸化による変色を起こしにくくすることに成功。

ドアノブや手すりに使用すれば、見た目の美しさを維持しながら感染症を予防できる。保育施設などでの採用も視野に入れ、年間数億円規模の事業に伸ばす目標を掲げる。

 クリーンブラスは、銅54%、亜鉛34%、ニッケル11%の合金で、色はシャンパンゴールド。殺菌能力は純銅より若干高い。
強度にも優れ、パイプ加工した際の強度は鉄パイプの約2倍。
このため、薄肉化による製品の軽量化も図れる。5月に特許を取得し、国際銅協会(ICA)が承認する殺菌マーク「Cu+」も取得している。

 銅や黄銅に殺菌性があることは、近年よく知られてきており、米国環境保護庁も銅の殺菌性を認めている。純銅の場合、数十分で表面の病原菌が99%以上死滅し、病院内のドアノブや手すり、テーブルの天板などに銅製品を使うことで、院内感染を低減できるとの研究結果もある。

 実際、銅製品を院内感染防止に活用する病院も出てきている。
ただ、銅や黄銅は時間が経過すると参加して黒ずみ、最終的に緑青が発生。殺菌能力は落ちないものの、見た目が悪くなることが、人が直接触れる設備に使いにくい要因の一つとなっていた。

 同社は3年以上かけ、変色しにくい銅合金の配合と製造方法を研究。
ニッケルアレルギーも考慮した上で、10%強の添加量が最適との結論に至った。

気温60度、湿度95%の高温高湿度環境下に8時間置いた実験では、色の変化(色差)が銅、黄銅の3分の1程度。北里大学病院で2年間行ったドアハンドルの実地試験でも、見た目の変化が見られなかった。

 すでに、来年以降に建て替えなどを行う複数の病院から問い合わせが来ている。

今後は、保育施設や養護施設など、感染症の予防が求められるほかの施設や、公共スペースでも採用を促して行く考え。
ゴールドカラーで変色しない銅合金の開発も進めており、多様なニーズに応えられる体制も整える。