労働者派遣業務の医療分野(医師・看護師等)への対象拡大について(内閣府 > 総合規制改革会議 )

2013.07.27

労働者派遣業務の医療分野(医師・看護師等)への対象拡大について(内閣府 > 総合規制改革会議 )


 (厚生労働省医政局出席者入室)

○宮内主査 大変お待たせいたしました。それでは残された時間内で本日の第2のテーマでございます「労働者派遣業務の医療分野(医師・看護師等)への対象の拡大」、このテーマにつきまして、厚生労働省と引き続き意見の交換をさせていただきたいと思います。 本テーマにつきましては、篠崎医政局長は国会の都合でおいでになれませんでした。御関係の皆様方においでいただいております。ありがとうございます。
  
本テーマにつきましては、資料2の3ページにもございますように、当会議の昨年来の第2次答申におきまして、医師等の派遣については

1.社会福祉施設では今年度中に措置する。
  
2.医療機関等では平成16年中に結論を得る。このように記載されております。
  
その後、厚生労働省は構造改革特区の第2次提案を受けまして、医療機関等について、平成15年度中と結論時期を前倒しされているとお聞きしておりますが、実施時期につきましては、明確化されておりません。そのような事情がございます。
  
資料1にもありますように、厚生労働省はかねてより医師等の派遣が認められる等、チーム内でのお互いの能力が把握できなくなり、問題であると御主張されておりますが、当会議としましては、これだけ医師不足が深刻化する中で、派遣される医師等は、一応有資格者である上、その能力等についても、あらかじめ医療機関側が指定できるため、弊害は小さいと、このように考えている次第でございます。
  
それでは、そういう点も踏まえまして、まず厚生労働省から御説明をちょうだいいたしまして、その後、意見交換をさせていただきたいと、このように思います。
  それでは、よろしくお願いいたします。

○榮畑厚生労働省医政局総務課長 厚生労働省医政局総務課長でございます。
常日ごろから大変お世話になっております。厚く御礼申し上げます。
  それでは、資料に沿いまして、医政局の医事課長の方から御説明させていただきます。

○中島厚生労働省医政局医事課長 初めに労働者派遣法につきましては、既に御承知のことと思いますけれども、派遣事業の対象業務については、平成11年の改正により原則自由化されて、その中で港湾運送と建設・警備業等と並んで医療関係職種の行う業務についても適用除外とされてきたところでございます。
  
これにはそれぞれ業種ごとに事情があってこのようになっているわけでございますが、医療関係業務につきましては、医療スタッフによるチーム医療の下で、相互に十分な連携を図りながら業務を遂行する必要があるということで、派遣制度そのものになじまないということから、このような取り扱いにこれまでなってきているというふうに理解をしております。
  
今回、その取り扱いを改めるべきであるという御意見をいただいておるわけでございますけれども、原則的な見直しを行いました平成11年当時の状況と比べまして、医療現場において今日問題となっております医療事故、医療安全の確保ということが大変大きな課題ということでございまして、むしろ医療関係者間での十分な連携の確保がより重要になってきているという面もあるではないかと認識しております。
  
こういったことから、このような状況の中で、国民の理解が得られるのはどのような在り方なのかという視点からも慎重に検討する必要があると考えておるところでございます。
お手元の資料に基づきまして、若干説明をさせていただきたいと思います。
  

まず、1ページ目の「労働者派遣法上の適用除外業務の位置付け」についてでございますが、先ほども申し上げたように、原則的に労働者派遣事業の対象が自由化されているわけですけれども、その上で適用除外業務というものが限定列挙されております。
個々の業務につきましては、政令で各資格ごとに列挙されているということになっておりまして、参考の施行令にありますような形で医療関係業務が規定されているということでございます。
  

2ページ目でございますが、このたび社会福祉施設等への労働者の派遣については、これを認めていこうということでございますけれども、現行、医療関連職種については、一律に派遣禁止ということになっておりますが、それを社会福祉施設等における医業は解禁ということで、(2)を除いて派遣を解禁しようということでございます。
  

(2)の引き続き派遣を禁止という業務につきましては、病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、医療を受ける患者の居宅というようなものでございます。
  
これにつきましては、公布の日ということで平成15年の3月末を予定をしているということでございます。
  
3ページ目でございますが、規制改革の関係では先ほどもお話がございましたように、派遣規制の見直しということで、平成14年12月中に規制改革会議の答申の中に、このようなことで盛り込まれているわけでございます。
  
社会福祉施設における医療関係業務につきましては、できるだけ早期に結論ということで、14年度中できるだけ速やかにということで先ほど申し上げたようなことですし、医療関係その他の職種におきましては、16年度中に結論ということでございましたが、次の4ページにまいりまして、医療分野の労働者派遣についての基本的な対応方針ということでお示ししておりますように、第二次答申を踏まえまして、更に検討いたしました結果、社会福祉施設等における医療関係業務の派遣につきまして、今年度内に措置をするということと併せて、医療機関における関連業務に対する派遣についても、15年度中に結論を得るということとしているわけでございます。
  

5ページ目でございますが、医療機関における派遣を検討する上で課題としてどのようなことがあるかということでございます。
主としてチーム医療の観点ということで、以下のような問題を考えておりまして、社会福祉施設当における派遣の影響、あるいは効果の分析とか関係者の意見も踏まえた上で慎重に検討していく必要があるのではないかと考えております。
  
具体的な中身としては、医療機関側が医療スタッフを事前に特定できないということ。
2つ目は、スタッフの移動が頻繁になるということで、職場でのコミュニケーション不足から医療ミスにつながる恐れがあるのではないか。
  
3つ目は、派遣会社の都合によりそのスタッフの異動を余儀なくされる恐れがあり、これもまたチーム医療に影響を及ぼすのではないか。
  
4つ目は、派遣労働者は派遣元企業の職員でありながら、医療機関の指揮命令下に行うということになりますので、医療提供上の責任の所在という観点からこれらが分散をする、責任の所在が不明確になる恐れがあるのではないかということでございます。
  
6ページ目でございますが、こういった問題を考える上での医療サービスの特徴ということでございますが、人の生命、身体を預かるサービスが医療であるということ。
これは申し上げるまでもありませんが、その医療というのは一人の医師の活動だけでは完結をいたしませんで、他の医師、看護師、理学療法士などのスタッフとの連携があって初めて成り立っているということ。
  そして、安全な医療の提供には細心の注意が必要で、できるだけの努力が必要であるということでございます。
  

次に参考資料として2つほどお付けしておりますが、1つは、病院・診療所、社会福祉施設等における医療従事者の数の比較でございます。
過去には申し上げませんけれども、ここに挙げておりますように、医療施設においては大変に多い数の従事者が業務に従事をしているということで、これらに与える影響が非常に大きいということでございます。
  
それから、その次の8ページでございますが、これは「ヒヤリ・ハット事例における発生要因」ということでございまして、我が国の病院について見ますと、この表にはありませんけれども、500 床以上の病院というのが大体全国で500 病院程度ございまして、そこで行われる医療行為、日々行われる医療行為ということですけれども、そういうものについて見ますと、入院患者でいくと、140 万人程度が入院をしている中で、診療行為などから手術とか麻酔とか注射、放射線治療などのようなものが生命に直接危険が及び得るような行為について見ますと、1つの病院当たり1,500 から2,000 回くらいの頻度で行われているということですけれども、危険な行為が日常的に行われているということでございます。
  
そういう中でこの8ページの資料でございますが、ヒヤリ・ハットということで、ひやりとした、はっとしたという事例を安全の観点から収集分析をしておるところでございますけれども、その中で見ますと、この問題を考える上で重要な医療関係者の連携という項目については、左の表で行けば、上から6番目、網掛けのような形になっておりますが、全体の6.4 %ということで、かなり大きな比重を占めているということでございます。こういったことからも、医療においては連携が非常に重要な要素であるという認識を持っているということでございます。
  以上のようなことを含めまして、今後、この問題についてはできるだけ早急にということではございますけれども、慎重に検討を進めていく必要があるだろうと考えているところでございます。
  以上でございます。