参院選 介護や医療に高い関心 人手不足、労働環境など課題=山形

2013.07.22

参院選 介護や医療に高い関心 人手不足、労働環境など課題=山形
2013.07.19読売新聞  


 ◇13参院選

 介護や医療など社会保障制度のあり方が、参院選で有権者の大きな関心事になっている。高齢化率(65歳以上の人口割合)は27・6%(2011年)と全国5位の本県。
だが、現場で働く人たちの労働環境は厳しく、課題が山積している。

 「祖父母が大好きだったこともあり、自分に合っていると思って介護の仕事に就いたが、将来のことを考えると不安だ」。
こう打ち明けるのは、山形市の特別養護老人ホームで働く伊藤雄太さん(23)。

 2年前に介護福祉士の資格を取得。収入が増える夜勤のある施設に就職した。
現在はデイサービス担当で夜勤手当はない。
やりがいは感じるが、「月給は高校の同級生より10万円少ない。
貯金もできず、結婚など先が見えない」と話す。

 県は昨年12月、県内の全介護労働者を対象に実態調査を行った。
回答した1万1055人のうち56%が「仕事内容の割に賃金が低い」と訴えた。
同じ正規職員でも、県内の平均月収は19万1900円で、全国平均より約2万7600円低いことも分かった。

 このほか、「有給休暇が取りにくい」(49・4%)、「人手が足りない」(49・3%)、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」(38・9%)などの不満の声が上がった。

 1年間で全職員の約13%が離職していることが、厳しい労働環境を物語る。山形労働局職業安定課によると、5月の全職種の有効求人倍率は0・97倍だが、介護職は1・25倍と高い。同課の担当者は「夜勤があっても賃金が低く、敬遠されてしまう」と話す。

 こうした実情について、県介護福祉士会の斎藤幸子会長は「介護職の社会的立場が低いことも原因。
ばらまき政策ではなく、個々人のキャリアアップにつながる仕組みづくりが必要だ」と指摘する。

 医師や看護師などの人手不足も依然解消されていない。10年度末の最上地方の人口10万人当たりの医師数は、137・6人で、全国平均(230・4人)を大きく下回る。出産できる医療機関も次々と閉院になり、現在は県立新庄病院だけ。地域や診療科で医師の偏りが目立つ。

 また、県地域医療対策課によると、県内で学んだ新卒看護学生の県外就職率も全国平均より高く、どのように定着させるかが課題になっている。
県などは、実習病院の増加などを対策として掲げるが、取り組みは始まったばかりだ。

 山形大の村上正泰教授(医療政策学)は「医療福祉分野で人材を確保するには、労働環境の改善や高い能力を身につけるための支援が重要だ。
これを現場で働く人の収入増などに結び付けるには、さらに財源が必要になる。財源と医療福祉のサービス充実は表裏一体。議論を深めていく必要がある」と話している。