終末期の脱「胃ろう」進む 広島県の基幹病院2年間で35%減 望まぬ延命に拒否感

2013.06.21

終末期の脱「胃ろう」進む 広島県の基幹病院2年間で35%減 望まぬ延命に拒否感
2013.06.16 中国新聞


終末期 脱「胃ろう」進む

広島県の基幹病院 件数2年で35%減

望まぬ延命に拒否感

 病気などで食べられなくなったときに胃にチューブで栄養を送る「胃ろう」を、終末期に利用する患者が減っている。広島県内の基幹病院32病院では、2012年度の胃ろうの造設手術の件数は計1070件で、2年前より588件(35.5%)減少したことが15日、中国新聞の調べで分かった。(余村泰樹、平井敦子)

 胃ろうは優れた栄養補給法として高齢者を中心に急速に普及してきたが、一度造設すると栄養補給の中止が難しい。意識がなくなり延命を望まない状態になっても、長期間生き続ける状況が生まれかねない。

医療機関や介護施設で、胃ろうによる終末期の延命を選択しない人が増えている。

 県内の公立病院とJA、済生会などの公的病院計32病院に10~12年度の胃ろうの造設手術件数を尋ねたところ、10年度は計1658件▽11年度は計1422件で、年々減少。

9割の29病院で、12年度の件数が10年度より減っている。

 12年度の件数が最も多かった国立病院機構呉医療センター(呉市)は117件で10年度比28・2%減。

JA広島総合病院(廿日市市)は104件で30・2%減。このほか、福山市民病院(福山市)は12件で72・7%減、JA吉田総合病院(安芸高田市)は29件で59・7%減と、大きく減った。

 市場調査会社アールアンドディ(名古屋市)によると、メーカーが全国に出荷した造設キット数は10年前から増加傾向が続いてきた。
しかし、12年は11万3100セットで、前年より14%減った。

 胃ろうの普及に取り組んできた「広島胃瘻(いろう)と経腸栄養療法研究会」の代表幹事を務めるJA広島総合病院の徳毛宏則副院長は「胃ろうは正しく使えば再び食べるための支援になる。

しかし、安易に造設すると望まぬ延命にもつながる。患者や家族が判断するための情報提供をしっかりするべきだ」と話している。