患者紹介率向上に力 地域医療の分担狙う 佐久総合病院

2013.06.16

患者紹介率向上に力 地域医療の分担狙う 佐久総合病院 /長野県
2013.06.15 朝日新聞

 佐久市臼田の県厚生連佐久総合病院が「最初の診療はかかりつけ医に」と呼びかけている。
紹介状を持って来院する患者の割合「紹介率」を上げることで、中小病院や診療所との役割分担を進めることが狙いだ。
来春に開業する分院の佐久医療センターの紹介率を上げて、診療報酬の上乗せが認められる「地域医療支援病院」の認定を受けることも目標としている。


 「かかりつけ医からの紹介状をご持参ください」。同病院(821床)には、こう書かれたポスターが貼られている。
1日約1700人の外来患者のうち、初診で紹介状を持参した患者は32%(昨年度)。

 同病院のような一般病床数が200床以上の大病院は、原則として、開業医や診療所などの紹介状が必要だ。患者はまず近所の開業医らに診てもらい、医師がさらに高度な治療が必要と判断した場合に、紹介を受けた大病院が専門的な治療を施す、という役割分担が基本だからだ。

 大病院にとっては、軽症患者を含む外来患者の診察に追われて、入院患者や症状の重い患者の治療に手が回らないといった事態を避けることができる。

 ただ、紹介状がなくても別途料金を払えば診察を受けることはできる。このため、軽症でもまず大病院に来る患者は少なくない。

 同病院の取り組みの成果で、この4月には紹介率が35%に上がった。初診の患者が別途支払う費用を、4月、1050円から1575円に値上げしたことも要因のひとつとみられる。

 来年3月に開業予定の佐久医療センター(450床)は、高度医療と第3次救急医療を専門とする「紹介型病院」で、紹介率60%を目標にしている。
この数字は、「地域医療支援病院」として承認される要件の一つ。承認されれば入院患者の診療報酬が上乗せされるメリットがある。

 しかし、佐久市などが昨年10月に実施したアンケートによると、医療センターが紹介型病院であることを知っている市民は43%にとどまった。

 実は、医療センターの開業後、本院の佐久総合病院の一般病床は199床に減り、紹介状は必要なくなるが、医療センターが承認を受けるためには今から「まずかかりつけ医に」という啓発をし、習慣化してもらう必要があるという。

 同病院地域医療連携室の野水伸也課長は「本院が縮小しても地域の開業医との連携は今後とも必要なので、紹介率の向上に力を入れていきたい」と話している。(桜庭泰彦)