愛知の病院 つなごう医療 (111) 緑市民病院 名古屋市緑区 発想変え夕方も診療

2013.06.04

愛知の病院 つなごう医療 (111) 緑市民病院 名古屋市緑区 発想変え夕方も診療
2013.06.01 中日新聞  


 【愛知県】二〇一二年四月、県内で医療機関を運営する医療法人純正会(名古屋市中川区)が指定管理者となり、市に代わって病院を運営して一年が過ぎた。民間の発想で夕方の診療時間を開設したり、救急搬送の受け入れ態勢を整え、入院患者数も増えた。市民の信頼を取り戻し、安心につなげたいと取り組む。

 「体調悪くなったら、いつでもおいでね」。
水曜の午後四時すぎ、佐本洋介医師は風邪をひいて祖母と訪れた男児(3つ)に、診療を終えて声を掛けた。
男児はうれしそうに佐本医師とハイタッチ。緑区内に暮らす祖母は「夕方だと連れて来やすいし、便利だね」と話した。

 純正会による運営になった昨年四月から、平日夕方と、土曜午前中の診察を始めた。
基本的には地域の診療所からの紹介が中心。コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)など病院でしかできない検査をしたり、入院が必要と判断された患者の受け入れなど、診療所との連携を密にして柔軟な診療を心掛ける。

 「民間の発想でなければできなかった」と神谷保広院長。
緑市民病院と同じ公立病院の静岡県掛川市立総合病院から、指定管理者制度の導入に合わせて院長として赴任した。

 市から純正会の運営に切り替わる直前の昨年三月末、一般病床三百のうち入院患者は六十人。
医師不足により、災害拠点病院にもかかわらず夜間救急の受け入れも制限していた。

 「断らない診療、積極的に診る診療をしながら診療所や病院と連携し、市民から失われた信頼を取り戻さなければ」。救急医療の立て直しをすぐに実施した。

神谷院長の働き掛けもあって昨年四月、整形外科と循環器内科、脳神経外科の三人が加わり、医師十八人で救急診療をスタート。現在は二十一人に増え、日曜の夜間をのぞき受け入れが可能になった。入院患者は現在、百三十人に増えた。

 病院には新たに「人の集うコミュニティーとして市民に貢献します」と、スローガンを掲げた。神谷院長は「市民が望むのは、困った時にいつでも診てもらえる頼りになる病院。
みんなが集まる場所になり、さまざまなサービスを提供して地域に貢献したい」と熱意を語る。(柚木まり)

 レベル向上めざす

 神谷保広院長の話 今後も医師の人数を増やして診療内容のレベルを上げ、自院で完結する診療を目指す。市民から「なきゃいかん病院だね」と言ってもらえるよう、スピード感を持って失われた信頼を取り戻していきたい。

    ◇

 緑市民病院 1945年創立▽一般病床300床▽常勤医21人、非常勤医42人▽内科、外科、小児科、皮膚科など21科▽名古屋市緑区潮見が丘1の77。名鉄鳴海駅から徒歩15分▽電052(892)1331