水沢病院 在り方議論 奥州市 老朽化、維持に巨費 本年度内にも方向性

2013.05.15

 

水沢病院 在り方議論 奥州市 老朽化、維持に巨費 本年度内にも方向性
2013.05.14 岩手日報 


 奥州市は同市水沢区の市総合水沢病院(半井潔院長、145床)の老朽化を受け、中長期的な病院の在り方について議論を始めた。
同病院は市町村合併による広大な地域医療をカバーし、懸案の赤字経営も改善が図られている半面、将来的な機能維持には数十億円の工事費と市一般会計からの継続的な繰り出しが不可欠。
住民を交えた「懇話会」を中心に地域ニーズや投資の是非を見極め、年度内にも方向性を打ち出す。

 同病院は市役所に近く、常勤医は小児科2人を含む18人で3年前より3人増員。
患者数は外来約9万4千人、入院約4万9千人(2011年度)で同市の県立胆沢、江刺病院とともに地域医療の拠点を担っている。

 一時は深刻な赤字経営に陥ったが、病床稼働率向上など近年の改革が成果を挙げ、09年度決算での累積欠損金49億円は12年度決算で30億円台半ばまで圧縮される見込み。
市からの借入金約5億4千万円も計画前倒しで13年度完済できそうだ。

 ところが本館など3棟は築31~44年が経過。設備の老朽化も進む中で柏山徹郎病院事業管理者は「このままでは病院機能を維持できない。
施設や機器を充実させ、魅力を高めないと医師確保も難しくなる」と懸念する。

 同病院の試算では、移転新築する費用は85億~99億円程度。
現在地で大規模な増改築を行う場合は43億円程度と見込まれる。

 仮に事業費として合併特例債を活用しても少なくとも3割程度は市の負担となるほか、運営を支えるため年7億円程度の一般会計の繰り出しも必要。
市土地開発公社の債務負担もあり市債残高859億円(12年度末)を抱える中で、財源捻出が大きな課題だ。

 同市江刺区の会社役員菊池桃子さん(37)は「建物が診療態勢や人口と比べて過大でないかも慎重に見極めてほしい」と注文する。

 市は本年度、市民や医療関係者らによる市地域医療懇話会を設置。
市立病院・診療所改革プラン(14~18年度)を策定し、同病院の方向性も盛り込む方針だ。

 小沢昌記市長は「県立病院が医師不足に悩む中で市民の健康と安心を守る役割は増している。
行革を徹底して進めながら、地域医療の明るい未来を描きたい」と模索する。

〔老朽化が進む奥州市総合水沢病院。市は住民のニーズと存続の在り方を年度内に見極める方針だ〕