[あしたの三重]トップ座談会(4)医療・福祉(連載)=三重

2013.05.06

[あしたの三重]トップ座談会(4)医療・福祉(連載)=三重
2013.05.04 

 ◇第2部

 誰もが安心で、暮らしやすい地域社会を築くには、基盤整備などハード面や、産業戦略ばかりでなく、子どもやお年寄り、障害者への支援も欠かせない。

少子高齢化が加速する中で、医療・福祉の山積する課題に真正面から向き合い、
「弱者」の声にどう答えていくのか--。その“処方箋”を伺った。=題字は岡本直之・県経営者協会長=


 ■座談会出席者

鈴木英敬・県知事(38)

内田淳正・三重大学長(66)

前葉泰幸・津市長(51)

岡本直之・県経営者協会長(66)

   (三重交通グループホールディングス社長)


 ◆鈴木氏 総合診療医を育成 内田氏 相談できる体制を 前葉氏 孫育て 生きがいに 岡本氏 障害者の働き 形に

 --少子高齢化=不安に思う人は少なくない。

 前葉市長 高齢化をプラスに受け止めて、少子化対策に結び付けるような取り組みを、自治体も精いっぱい考えなければいけない。
例えば、高齢者に「イクジイ」「イクバア」として、もっと「孫育て」に関与してもらう。
必ずしも同居する必要はなく、週末だけでも、または、ウイークデーだけ孫の面倒を見てもいい。
孫と関わることに生きがいを感じる人もいると思うし、親にとっては、仕事をしながら安心して子育てができるのではないか。

 --育児休暇を取得し、「イクメン」としても奮闘している知事は、子育てへの不安についてどう思うか。

 鈴木知事 周囲の支え、理解があるかどうかで変わってくる。妻の場合、言葉でうまく説明できない乳幼児に何かが起こった時、誰に相談していいのか、自分でどこまで踏ん張っていいのかなど、医療面が一番心配だと言っていた。

 内田学長 子どもの具合が悪くなった時、大変な状況なのか、様子を見てもいいのかという判断は難しい。
相談できるシステムを作れば、親の不安は随分解消できると思うが、最近は救急医療に頼りがちで、現場が疲弊する一つの原因にもなっている。

 前葉市長 津市では「救急・健康相談ダイヤル24」(0120・840・299)を設け、24時間体制で相談を受け付けている。
さらに、内科医が担当していた応急診療所「休日応急・夜間こども応急クリニック」(津市大里窪田町)を、小児科の先生にすべてを診てもらうように変更した。
親御さんからの要望もあり、休日の場合はクリニックに行けば、安心していただけると思う。

 内田学長 ただ、県内では津市ほど医師数が多い市町はなく、同じような体制は簡単にはできない。

小児診療についても、専門医が全部診るという考え方を変えた方がいい。
まず、内科医に診察してもらい、自分では判断できない患者を小児科に回す仕組みにしなければいけない。何が何でも小児科医が診るということになると、専門医は何人いても足りない。

 鈴木知事 地域医療ではまず、“窓口”として総合診療医が診断するという取り組みが進んでおり、県内では、県立一志病院(津市)を総合診療医の研修拠点にしていこうとしている。

総合診療医は「住民の顔が分かる地域のお医者さん」というイメージで、病気を専門的に診るというよりも、健康状態を診断するようなものだ。一志病院での取り組みを三重県医療のブランドの一つにしていきたい。