地域医療へ影響じわり 常勤医14人が退職の鹿島労災病院 救急対応困難に

2013.04.28

 

地域医療へ影響じわり 常勤医14人が退職の鹿島労災病院 救急対応困難に /茨城県
2013.04.27 朝日新聞


 常勤医が大量退職した鹿島労災病院(神栖市)は、今年度から診療態勢を大幅に縮小した。
大学医局などから医師の応援派遣を受けているが、外来患者は激減し、救急の受け入れも困難になっている。
患者が流れて近隣病院の負担が重くなると、地域医療全体への影響も出かねない。


 鹿島労災病院では昨年度末、常勤医22人のうち外科5人、整形外科5人、神経内科3人、内科1人の計14人が退職した。
出身の大学医局の都合や、病院の交通の便がよくない事情もあって、引き留めることができなかった。眼科と皮膚科で新たに1人ずつが常勤になったが、他に補充できず、常勤医は半分以下の10人に減った。

 大学医局や近隣病院から計37人の医師の応援を受け始めたが、派遣頻度は基本的に週1、2回。
医師によっては月1回の場合もあるという。

 現在、外来の受け入れは1日平均230人で、昨年度の1日平均420人から半分近くに減った。

 13診療科のうち、常勤医のいなくなった外科、整形外科、神経内科は入院受け入れを休止。
昨年度、1日平均約100人だった入院患者は現在、約30人になっている。
救急搬送については「できる限り受け入れているが、他の医療機関を紹介せざるを得ない場合もある」という。

 近隣病院からは、鹿島労災病院が引き受けられない患者が一つの病院に集中することを懸念する声も出ている。
鹿嶋、神栖両市には、2次救急病院は鹿島労災病院を含め四つある。その一つの神栖市の神栖済生会病院は「最近、外来患者が増えているような気がする」という。

 鹿島地方事務組合消防本部も「救命士が鹿島労災病院への搬送要請をためらう傾向が出ているかもしれない」としている。

 鹿島労災病院と周辺自治体、県は近隣病院や地元医師会などと対策を協議している。ただ、まだ具体策は決まらない。

 (池田敏行)