「上昇」への算段・13年度県当初予算案(6)医師・看護師の確保 定着可能な環境整備

2013.03.04

「上昇」への算段・13年度県当初予算案(6)医師・看護師の確保 定着可能な環境整備
2013.02.25 愛媛新聞

 深刻な医師不足を受け、2009年度から始まった県地域医療再生計画は13年度が最終年度。
今予算案では、奨学金制度で2年後から県内の病院で本格的に働き始める若手医師のキャリアアップ支援や不足する看護師確保へ、ソフト・ハード両面の対策を加速する。

 奨学金制度は、愛媛大医学部などに地域特別枠17人(愛媛大15人、香川大2人)を設け、県が学費などを貸与。
奨学生は卒業後9年間、県内の公立病院などで勤務すれば返還が免除される。
奨学生の最高学年は4年生。2年後には県内の臨床研修病院へ配置されるが、同部付属病院地域医療支援センターの高橋敏明副センター長は「(地域で)実力を発揮してもらうのは9年後から」と強調する。

 背景には同じく9年の勤務義務がある自治医科大(栃木県)卒業生の例がある。
新しい医療に触れる機会が少ないへき地の診療所などで医師が疲弊し、定着できない例が少なくなかったからという。

 そこでセンターでは地域枠の医師が地域医療を担いながら希望する専門科の勉強が続けられる仕組みをつくる。12年度は付属病院の内科、眼科など各科に依頼して卒業後に専門分野を学ぶためのコース例を作成。
13年度は専任医師を1人増員予定で、受け入れ病院とコースをさらに調整する。県が委託料7281万円を組んだ。

 また、医学生に地域医療への関心を深めてもらうため、受け入れ先への見学会を開催。
12年度は県立新居浜病院や市立八幡浜総合病院など4病院を見て回った。
13年度は4回開く予定で、高橋副センター長は「地域の病院では医師への期待度が違うことを肌で感じてほしい。
(医師の)数だけでなく、質の高い医療ができることが重要」と力を込める。

 一方、看護師不足の対策では、院内保育所の整備費補助を6千万円計上。
その一つ、4月に104床増の257床で新病院がオープンする石川病院(四国中央市)http://www.ishikawa-hsp.com/recruitment/message/は、車で5分ほどの距離にあった保育所を病院敷地内に移転新築し、翌14年春に開所する予定だ。

 石川病院は新たに病児保育も検討中。
病気の子どもを預かることができれば職員も休まずに済むため、「病院と職員双方にとってメリットがある」(同病院)からだ。
四国中央病院でも保育所を新設するほか、16年11月に新病院が完成する市立八幡浜総合病院も院内託児所を設けるなど、看護師の育児環境が整いつつある。

 ただ、都市部の県立中央病院でも13年度採用の看護師が定員割れするなど、看護師確保は依然厳しいまま。県外志向の新卒看護師や一度職を離れた潜在看護師を振り向かせるには、なお時間がかかりそうだ。(阪和舞)

=おわり