川越胃腸病院は、患者様に高いサービスを与えることはできないことに鑑み、委託・派遣職員をも含めた職員全体のやりがい、働き甲斐を出発点にした仕組みづくりを行ってきた。

2013.02.21


「日本経営品質賞」http://www.kib.or.jp/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e7%b5%8c%e5%96%b6%e5%93%81%e8%b3%aa%e8%b3%9e%e5%a0%b1%e5%91%8a%e4%bc%9a%ef%bc%88223-24%ef%bc%89%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/

川越胃腸病院は、早くから医療はサービスと位置づけ、職員の満足無くして患者様に高いサービスを与えることはできないことに鑑み、委託・派遣職員をも含めた職員全体のやりがい、働き甲斐を出発点にした仕組みづくりを行ってきた。

その結果、職員満足が全国トップレベルとなるとともに、人が育って患者様に満足を与えるサービスを繰り返すことにより、職員の感性が磨かれ、満足を超えた感動レベルにまでサービスが向上し、その改善・革新が常態化している。

さらに、現状に満足することなく、新たな評価指標の活用や、外部機関をうまく利用したプロセス改善の仕組みを構築している。
職員満足から患者満足を向上するという変革の経緯は、医療機関をはじめ他業界の組織にとっても参考となり、経営品質の基本理念の具現化や組織開発に対する多くのヒントが含まれている。
以下が、今回の審査で高く評価した点である。



院長は、20年前から実施している年2回の職員面接、責任者会議、採用面接、そして毎日の朝礼を通じて、経営に対する強い思いを発信し続けている。
同じチームのメンバーとして率先垂範してきたことが、全職員に理念として浸透するだけでなく、「理念を実現する組織風土」にまで至っている。

互いの仕事を認め合う・褒め合うということを制度の活用で高めるのではなく、仕組みもルールも、「心のレベルで共有する風土」にまで醸成している。これらの風土の中、委託・派遣職員も含めた職員全員が社会貢献ボランティアのように生き生きと働き、その結果、高い患者満足を実現している。

さらに職員は患者様から「ありがとう」という言葉をいただくことで、自らの仕事に対するやりがいが高まり、高い職員満足に繋がっている。
目指している「人満足の好循環スパイラル」がすでに実現されており、その結果「利益造出の好循環スパイラル」にまで繋がっている。


20年前から自院で患者満足度調査を実施し、定量的データとともに自由意見を通して定性的なデータも集め続けている。
また患者様のニーズを深く理解するために、患者満足度調査を任意記名式アンケートへ改善するとともに、職員が現場で察知する情報も加えた「患者様の声」の収集体制を構築している。
さらに、医療業界では画期的である医療サービス対応事務局を設置し、「患者様と病院のパイプ役」「院内情報のコントロールタワー」として、院内及び対外的な対応の調整を行っている。
加えて、この事務局は、メンバーに役員を入れることで、経営会議との調整機能も持たせ、患者様の声を戦略に取り入れやすい工夫が施されている。

このことにより、総合的に患者様を理解する体制が整えられ、多くの患者様の声を活かして、技術と安全と心温まる医療サービスを徹底して改善し、迷いのない適切な対応を実行していると思われる。これらは、患者様満足につながり、結果として高い売上や利益率につながっている。



現状に満足することなく、職員満足の内部確認プロセスを充実するため、外部調査を活用して新たな指標を見つけ出し、自分たちのプロセスとして活用している。

また、基幹プロセスの充実度などを確認するために病院機能評価等の外部機関をうまく利用したプロセスの確認方法を用いている。

また、自分たちの戦略との合致性を向上するため、学会認定を戦略的に取得し、専門医が取得できる体制を整備し、医師・内視鏡技術者の育成、さらにはレベルアップやモチベーションアップに活かしている。

一方、職員満足から患者満足が向上するプロセスの組織成熟度を確認するために、経営品質向上プログラム(埼玉県経営品質賞、クオリティクラス認証)の外部評価を活用し、プロセスの成熟度を向上させるための経営情報を上手く選択し、モニタリング・改善がなされる仕組みを構築している。



 
 患者満足度は20年以上独自の調査を継続し、高い満足度を維持し続けていることを確認している。

特に近年、医師の独自採用に踏み切ったことにより、診療部を含め総ての部署で満足度が向上している。
一方、職員満足は院長・役員面接や日ごろの対話によって把握している。
これらの満足度を客観的に比較評価するために、患者満足度・職員満足度共に外部機関を活用した満足度評価を実施し、結果として、医療界の優れた組織と比較しても患者満足度・職員満足度共に競合を凌駕する結果が得られている。








●設立 1969年8月

●代表者 理事長・院長 望月智行
●所在地 埼玉県川越市仙波町2-9-2
●売上高 1,629百万円(2011年3月末)
●従業員 114名(委託/派遣職員を含む。2011年10月末現在)

 
            
 
 川越胃腸病院は1969年に設立された消化器科の単科専門病院です。外来には年間延べ約8万人の患者様の来院があり、胃癌と大腸癌の手術実績は毎年200~300例を数え、内視鏡検査数も上部消化管検査と下部消化管検査の合計が年間17,000件という日本有数の実績を維持しております。

当院は、設立から今日までの約42年間に亘って、『医療は究極のサービス業』と考え、高い技術と温かいサービスが融合した医療活動を目指してきました。医療機関として真の社会貢献を果たせる病院になるためには、質の高い医療技術と実績を提供しつつ、複雑化、多様化する患者様の医療NeedsやWantsに対応するだけでなく、患者様の歴史や文化にまで対応できる医療でなければならないと考えたからです。
しかしながら、その想いが組織に浸透するまでには、長い年月と困難な歴史がありました。そこで「医療の質」と「経営の質」がバランスよく整った病院づくり、とりわけ人が集まり、定着する組織づくりを進めることが必須であると認識しました。

専門技術者の養成とともに、良質のサービスを提供できる心豊かな医療人づくり、部門の壁を越えた全員一致の組織づくりを経営の大きな目標に掲げ、高い職員満足が高い医療効果とサービス成果を生み、患者様満足と社会満足につながる「人満足の好循環スパイラルを回す」経営を推進してきました。

まずは「良い医療は良い人から」を実践するため、いかなる経営課題にも優先して、人材の確保と育成、集う職員の幸せの追求に力を入れてきました。

その結果、病院と職員との強い信頼関係が築かれ、職員はやり甲斐と幸せ感をもって明るく生き生きと活動し、高い職員満足率が達成されております。
また、20年以上に亘る患者満足度調査では常に総合満足率が93%以上の高水準を保っており、地域住民の方々にも積極的に病院を開放し、クリスマスコンサート、子供達の看護体験学習、市民健康講演会、地元小学校への出張授業、我が国初の「子ども大学かわごえ」支援など、さまざまな企画で地域に対する社会的責任と役割を果たすよう努力してきました。



 
 当院では、上記のような経営姿勢が社会の需要と期待に沿ったものであるかを第三者評価に委ねてみたいと考え、1998年の消費者志向優良企業表彰制度(経済産業省)を皮切りに種々の制度にチャレンジし、その受審作業の過程で、セルフアセスメントや業務改善の仕組みの重要さを学びました。

その後も米国のMB賞や日本経営品質賞にも注目しており、日本版医療MB賞研究会には設立時より参加しました。

経営品質向上プログラムの勉強会や他企業の活動事例研究を通して継続的な経営革新のステップを踏み、2006年より埼玉県経営品質協議会の指導を仰ぎ、継続的にセルフアセスメントを実施してきました。
その結果、2007年には埼玉県経営品質推進賞、2009年には同知事賞と日本版医療MB賞であるJHQCクオリティクラス認証(Aクラス)を取得、さらに2011年にはJHQCクオリティクラス認証(Sクラス)を取得致しました。
一方、当院では医療機関としての「医療の質」を高めるために、(財)日本医療機能評価機構の病院機能評価を初年度から継続して受審(認定)しており、医療の質の向上と改善にも経営品質向上活動と同時並行的に取り組んできました。
これらの複合的、継続的取り組みの結果、経営の透明性が確保され、病院と職員の信頼感と一体感が醸成され、組織成熟度が向上することによって健全な財務状態が維持できていると考えています。
当院は今後とも、社会から必要とされ、信頼される病院、地域になくてはならない専門病院として、経営能力のすべてを発揮して、職員と共に成長・発展していきたいと願っております。





〒350-0034 埼玉県川越市仙波町2-9-2
医療法人財団献心会 川越胃腸病院 常務理事 須藤 秀一
TEL 049-224-6252 FAX 049-225-6744 E-mail hospital@sainet.or.jp