地域医療への貢献のため連携 ・・・  全国に先駆けて初めての国立大学と一般病院の連携が実現し、・・・

2013.02.07

 

地域医療への貢献のため連携 ・・・  全国に先駆けて初めての国立大学と一般病院の連携が実現し、水戸協同病院内に地域医療を担う医師の育成拠点が設置された。

水戸協同病院内に筑波大学附属病院水戸地域医療教育センターhttp://www.mitokyodo-hp.jp/設置茨城県厚生連(会長:市野沢弘)は筑波大学(学長:岩崎洋一)と、平成21年4月1日に水戸協同病院(院長:平野篤)内に「筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター」を開設することに合意し、平成20年11月7日に筑波大学にて調印式を行いました。

http://www.ib.zennoh.or.jp/contents/news/topics/image/081203.pdf


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筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター開設について
総合病院 水戸協同病院
外科 渡辺基信

司会: 今日は健康の話題とは別に、今年4月に水戸協同病院に開設される筑波大学附属病院水戸地域医療教育センターについて、水戸協同病院外科の渡辺基信先生に伺いたいと思います。先生、これはどのような施設なのでしょうか?

渡辺: はい、水戸地域医療センターは、国立大学法人と民間病院である水戸協同病院が協同して、地域医療の充実および研修医の臨床研修を行なう、全国初の試みです。
昨年11月に両者の間で協定が締結しました。全国新聞などマスコミにも取り上げられ、今後の活動が注目されています。

司会: 筑波大学と、茨城県厚生連が経営する水戸協同病院が提携してこのような事業を展開するにいたった経緯はどのようなものなのでしょうか。

渡辺: 皆さんがご存知のように、今全国で一般市中病院における医師不足が起こり、救急患者の受け入れができないなど、日本は医療崩壊の中にあります。
平成12年の医療法改正により初期臨床研修が義務化され、研修医は自分で臨床研修病院の選択ができるようになりました。
その結果、症例数の多い都市部の病院に研修医が集中し、一方で専門性の高い大学病院には研修医がいなくなり、診療の継続のために大学から派遣されていた一般病院の医師が戻されるという事態になっています。また医療訴訟の増加により、産婦人科など、手術等リスクの高い疾患を扱う外科系診療科への新人医師の就職が敬遠され、救急医療がさらに厳しい状況になっているという現実があります。

司会: 毎日のようにマスコミに取り上げられているように、医師不足は大変な問題ですね。

渡辺: 茨城県においても、先般県北地域の総合病院の産婦人科が出産診療を中止するという発表があったように、医療情勢はやはり深刻です。
茨城県の人口10万人あたりの医師数は全国で下から2番目であり、県南地区の医師数は全国平均を大きく上回っているのに対し、県北地域は大きく下回っているという地域格差もあります。
つい十数年前までは医師過剰が懸念され、医学部入学定員が削減されていましたが、今や医師の充足が切実な問題です。

司会: 水戸地域医療教育センターが受け持つ役割は大変重要になるのでしょうね。

渡辺: 1973年に筑波大学が開設されて以来、筑波大卒の医師は茨城県内の診療業務に大きな役割を担ってきましたが、それでもその体制は十分なものとは言えません。
1県1医学部の政策のもとに、筑波大学は研究学園都市という国の基本構想の枠組みの中で設立されましたが、県庁所在地である水戸にはこれまで医療教育拠点がないという問題がありました。

一方で水戸協同病院ではこの数年、医師数の減少により診療体制を縮小せざるを得なかったという状況があります。
筑波大学の県央県北地域における医療教育拠点の確保と、水戸協同病院の診療体制の充実、という両者の意向がマッチして、このセンターが実現したわけです。


今年4月からは水戸協同病院にセンターが開設され、大学より内科・外科・麻酔科の10名の新任医師が派遣され、診療および臨床教育業務に携わる予定です。
すでに昨年10月から外科1名が派遣され業務にあたっています。

司会: このセンターの特色、また開業医院等の他病院との関係はどうなるのでしょうか。

渡辺: まず第一に当センターは豊富な症例数をもとに、臨床研修医の教育を図るという目的があります。これには4月から赴任する教員医師と、協同病院医師が協同で指導に当たります。

今年度は体制整備の年となりますが、次年度以降は初期臨床研修医が研修に来ることになると思います。
更には、大学附属病院として、今後看護部・薬剤部等の臨床教育体制も整えていかなくてはなりません。
次に診療業務についてですが、これまで当病院が行なっていた一般診療の継続とともに、大学附属病院としての先端医療を実践していくことが期待されます。

開業医院や一般病院では治療の難しい疾患を取り扱っていくことにもなると思います。
それには開業医の先生方のみならず、他の総合病院とも診療連携を図っていくことが今後重要になってきます。

司会: :医師の充足とともに、看護師・薬剤師・検査技師の充足も必要になってきますね。

渡辺: その通りです。医師が充実しても医療スタッフ、特に看護師が足りなければ診療は成立しません。病院で一番重要なのは病人の看護に当たる看護師であり、看護師数の不足は切実な問題です。4月からの医師増加に対し新たに病棟を開放予定ですが、それに伴う看護師の確保が非常に厳しい状況です。
手術数の増加も見込まれており、手術室担当の看護師確保も切実な問題となっています。
職員の処遇についても、大学附属病院として、先端医療を担う医療スタッフには、それに見合う待遇をしなければなりませんし、そうでなければ人材は集まりません。
また、この水戸協同病院における地域医療センター開設は、全国の協同病院のみならず、全国の民間病院で初の試みであることを、茨城県厚生連をはじめとした、県央・県北地域の全医療関係者の方々に、ご理解・ご協力いただかなければなりません。
茨城県のみならず、全国の医療関係者の関心がここに集まっています。

司会: 日本の医療崩壊が問題となっているなかで、このセンター開設のもつ意義は大きいと言えますね。

渡辺: そのとおりです。
この4月の開設にあたり、外来の改修・最新鋭のCTの導入など、さまざまな準備をしてきましたが、これからも整備しなければならないことがたくさんあります。何よりも、今後本センターにおいて治療なさるであろう患者さんのために、私たちは引き続き気を引き締めて準備に当たりたいと思っています。
司会: 本日はありがとうございました。
渡辺: ありがとうございました。
平成21年1月28日放送