鹿島労災14医師退職へ

2013.02.06

 

鹿島労災14医師退職へ(2013年2月6日 読売新聞)

今年度中に常勤医の半数以上が退職する鹿島労災病院

 神栖市の鹿島労災病院(神栖市土合本町)で、今年度内に常勤医22人の半数以上が退職する。

新たな医師確保は難航しており、診療体制の縮小は避けられない見通しで、地域医療に深刻な影響を与えそうだ。

 同病院によると、3月末までに退職する医師は外科5人、整形外科5人、神経内科3人、内科1人の計14人。多くは千葉大学の医局に戻る。

同大などからの新規派遣はなく、代わりの医師が確保出来ないため、同病院では4月以降、約200床あるベッド数を半減させ、外科、整形外科、神経内科では新規入院患者の受け入れを停止するとしている。

 同病院は鹿嶋、神栖など鹿行南部地域で、輪番体制を組んで救急診療にあたる4病院の一つ。

昨年、鹿島地方事務組合消防本部が救急搬送した患者5644人のうち、約15%の868人を受け入れた。鹿行地域では、人口10万人当たりの医師数が県内で2番目に少ない上に、海や霞ヶ浦に囲まれているため他地域との連携が取りづらい。

 鹿嶋市によると、2011年度の平均救急搬送時間は約51分。07年度と比べて10分以上長くなっている。

救急車が到着しても搬送先が見つからない事態は頻発しており、脆弱(ぜいじゃく)な救急診療体制が市民生活に影響を及ぼし始めている。

 今回、鹿島労災病院で医師が一気に退職することで、鹿行南部地域で救急診療にあたる4病院の常勤医数は85人から71人に減少する。

県医師会の諸岡信裕副会長は「地域の救急診療体制が完全に崩壊しかねない」と危機感を強めている。

 県は、1月11日に同病院と協議するなど、対応を検討しており、病院が非常勤医師を雇用した場合に一部経費を負担する制度などを活用し、医師不足に歯止めをかけたい考えだ。

 鹿島労災病院の広瀬彰病院長は「医師の間で生活環境の良い都会での勤務を希望する声は強く、地方部の医師確保を一病院で対応するのには限界がある」と話した。