准看護師制度、高まる存在価値

2013.01.31

 

(医・再発見)医療人を創る:5 准看護師制度、高まる存在価値 
        蓮澤浩明 県医師会副会長(65歳) /福岡県
2013.01.30 朝日新聞 





 厚生労働省がまとめた第7次看護職員需給見通しという統計があります。
2013年の需要の見通しが約145万人なのに対し、供給は約141万人。全国で4万人超が不足するとみられています。

 団塊の世代が後期高齢者となる10年~15年後、需要はさらなる拡大が予想されますが、少子化社会において大卒や3年課程卒の看護師だけでそれを満たすことは困難です。

高学歴が必ずしも質の向上につながるわけでもなく、看護の質は患者満足度にあると言われています。

身近な1次から高度で専門的な3次まで医療機関それぞれが看護職に求めるものも多種多様で、医療現場で准看護師が果たす役割も大きなものがあります。
看護職資格取得への門戸を広くしておかねばなりません。

 私はこの4年間、大牟田医師会看護専門学校の校長として学校運営に携わってきました。

近年、准看護科から看護科課程に進学できる看護専門学校への社会人入学が増加しています。
子育てが一段落した人、いったん社会人として働いていたが身内の病気などを契機として目指す人、人とのふれあいの中でやりがいのある仕事をしたい人など様々です。

「働きながら資格が取れるから」という入学動機もかなり多く、いずれも明確な目的意識をもった人生再チャレンジ組であります。

 医療機関で看護助手として働きながら学ぶことは大変なことですが、実地体験の豊富さから准看護師資格取得後は即戦力として通用し、卒業後に初めて看護職として働き始める人に比べて離職率が低い傾向にあります。

高卒から既婚者まで年齢の幅が大きく、指導において難しい問題も多々ありますが、小規模ながらも専門学校のメリットを生かした、きめ細かな教育が可能です。何より看護職の基本となる人間教育が大切です。

 本校は1952年の設立以来、これまで准看護師3983人、看護師1625人を送り出していますが、卒業生の多くが大牟田医師会管内で看護職に就いています。
昨年度も准看護科卒業生の就職先は80%が地元近隣の医療機関となっています。

 このように多くの准看護師が看護師と共に地域医療を支えています。
少子高齢化が進む我が国の人口構成から、看護職確保は今後の大きな社会的課題になります。
高学歴志向により看護大学が増加している中にあっても、看護職への道を多様に開いている准看護師制度の存在価値はむしろ高まっていると考えます。

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 はすざわひろあき 久留米大卒。同大学病院精神神経科などを経て、医療法人信和会理事長。2011年3月から現職。