「介護用品のレンタル事業が好調なフランスベットホールディングス」

2013.01.20

「介護用品のレンタル事業が好調なフランスベットホールディングス」 日経2023・1・20 朝刊7面・・「ニュース一言」・・
池田社長は介助者の視点を取り入れた製品開発が重要だと話す。モーターを搭載し、少しの力で押せたり、自動的にブレーキがかかったりする車椅子などの販売に力を注ぐ・・・


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フランスベッドホールディングス 代表取締役社長 池田茂さんです。2012・7・18
日本のホスピタリティについてお話しいただきます。(東京証券取引所の日本経済応援プロジェクト「+YOU」のアクションの一環として、ラジオNIKKEIから発信するコンテンツです)

和島
福祉機器のレンタルは、社長が一番初めに手掛けられたんですね。
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池田

昭和58年だから30年くらい前の話ですが、ベッドを買ってくれた息子さんから「使っていた親が亡くなったから、下取りをしてほしい」と言われました。そのとき、介護ベッドは不必要になるものだから、売らずに貸してはどうかと思い、サービスの一環で始めました

。すると、社員が「普通のベッドを届けてもお客さんはチップをくれないけど、介護ベッドだと、みんなチップをくれる」と言うんです。

チップをくれるということは喜ばれているということ。
そんなに喜ばれるならサービスではなくビジネスでやっていこうと思って、始めました。
1年後、日経新聞に大きく「フランスベッド シルバービジネスに参入」と出て、これはシルバービジネスだったのかと思いました。すぐにアメリカに行き、見て回ったら、こういうビジネスがたくさんありました。
それから、本格的に始めることにしたんです。
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内田
今、もっとも力を入れていることは何ですか。

.池田
介護保険が適用されている寝たきりの人に対するベッドや、車いすのレンタルビジネスです。
でも、高齢者の中で寝たきりの方はごくわずか。圧倒的に多いのは元気な老人です。
これからは元気な高齢者に向けた商品やサービスを考えていく必要があるということで、2年前に電動アシスト三輪自転車、その次に電動車いす、電動スクーター、去年からは全国に300万人近くいる、脳疾患で麻痺を持っている人たちのためのリハビリ機器のレンタルも始めました。
家の中にいるのではなく、どんどん外に出てもらおうというビジネスに力を入れ始めています。

マーケットは地方都市です。地方ではバスも1日に1便か2便だし、セブンイレブンに行くにも4km、5km、歩かなくちゃならない。
でも、車の免許は取り上げられたという人がたくさんいるんです。電動スクーターは免許なしで乗れるし、歩道も走れます。
家から出られない、買物にも行けないという人たちにレンタル、販売、リースをするビジネスを確立したいなと思います。
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和島
電動スクーターなどの販売手法は?

.池田

自転車屋さんには、ほかのメーカーのアシスト三輪車がありますが、試乗させてくれません。
電動スクーターもオートバイ店にありますが、乗らせてもらえません。
この商品は乗ってみないと分かりませんから、試乗会をして高齢者の人に納得してもらって買ってもらおうと思っています。
試乗には駐車場が必要なので、大きな駐車場を持っている取引先の家具屋さんに、まず提案しています。

ドラッグストアも広い駐車場を持っているし、高齢者の人がよく来ますから、試乗会をして、販売、レンタル、リースをやっていこうと考えていますが、たぶん喜んでもらえると思います。

昔、介護ベッドをレンタルしたら、「あなたの会社はいいことするね」と、感謝の手紙がたくさん来ましたが、2年前に電動アシスト三輪自転車を出したら、やっぱり手紙が来て、良かったなと思っています。
リハビリ機器も使っている人に喜んでもらっています。お客さんが喜んでいるということはニーズがあるということですから、多少、まだ赤字でもやっていくべきだと思っています。.
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内田
海外も視野に入れていますか。

.池田

今回、中国にも会社を作ります。
私が始めたときは、アメリカやヨーロッパによく勉強に行きました。
でも、アメリカ、ヨーロッパは、日本とはまた違います。
中国の人も老人ホームをやりたいとか色々な興味を持っていて、アメリカやヨーロッパにも行っていると思います。
ただ、日本人のホスピタリティは最高です。
レストランでウェイトレスのサービスが悪かったら、二度と行きませんが、老人ホームに入ってヘルパーが悪くてもすぐに出て行くわけにはいきません。
日本のホスピタリティ、ソフトウェアという点で、中国は日本のビジネスに興味を持っているんじゃないでしょうか。
将来、日本の総人口は減りますが、高齢化が進み、75歳以上が増えます。
だから、高齢者のビジネスはどんどん増えていきます。
今日本が世界一の高齢化社会なので、日本の会社がそういう人たち向けの、世界にない独特の商品を開発して、アメリカやヨーロッパに輸出できればいいなと思います。
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和島
御社には、独特の商品がありますよね。

.池田
立つと自動的にブレーキがかかる車いすも特許を取っていて、アメリカ、ヨーロッパにも出しています。今までの車いすは横に動きませんが、横に動いて車輪も取れる車いすも開発しました。
ベッドから車いすに移乗するとき、車輪を取ると横に動いてベッドにピタッといくんです。車いすからベッド、ベッドから車いすの移乗が簡単にできます。
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和島
社長の夢を教えてください。
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池田
今まで、福祉機器や介護機器は、スウェーデンやデンマークが進んでいるということで、我々もそれをマネしたような商品ばかり作っていました。
でも、10年後は、デンマークやスウェーデンの人が考えないような商品を日本の会社として作れるようになれればいいなと思います。
今、そうした商品をどんどん開発していますが、ベッド屋さんが電動アシスト三輪自転車を扱うのはおかしいので、高齢者や障害者向け商品のブランド名を「リハテック」としました。
これは、「リハビリテーションテクノロジー」を短くした言葉です。この名前でスクーターなどを世の中に出していこうと思っています。