看護師育成の現状と課題・・・福岡市医師会看護専門学校統括副校長

2013.01.17

(医・再発見)医療人を創る:4 看護師養成「第三の道」重要 藤原繁さん /福岡県
2013.01.16 朝日新聞 


 福岡市医師会看護専門学校統括副校長(61歳)


 前回まで医師の養成や研修制度について紹介しました。今回からは看護師育成の現状と課題について報告します。

 医師の養成は専ら大学医学部に委ねられているのに対し、看護師は主に4年制大学と、看護専門学校の3年課程、2年課程という三つの養成機関で行われています。

2012年の看護師試験合格者4万6928人の内訳は、大学が1万4704人、3年課程が2万126人、2年課程が9404人です。

この20年間で大学が約6倍に激増した一方、准看護師の資格を取ってから進学する2年課程は半減しました。

 その要因は、日々進歩している医療現場から看護師教育の充実を求めるニーズが高まっているのと、受験者の高学歴志向が進んでいることが考えられます。

今後は大学と3年課程が中心になると思われますが、歴史が古く、毎年1万人程度の看護師を送り出している2年課程もまた重要です。

 この課程では、2年間の教育課程を経て准看護師資格を取った人が、医療・介護の現場で働きながら学んで看護師をめざします。

そのため、高卒時に経済的理由などから看護職への夢をいったん断念した人たちの再チャレンジの場にもなっています。
実際に准看護師養成校入学者の平均年齢は27歳で、3分の2は社会人経験者です。

 その准看護師養成校の多くは医師会、または医師会員の施設が設立母体となっています。
私どもはこのコースを4年制大学、3年課程に続く看護師への「第三の道」と位置づけており、看護師を目指す強い精神と高い志を持った人が夢に向かってチャレンジ出来るよう、受け皿として確立させるよう努力しています。

 しかしながら、この「第三の道」の供給源ともなる准看護師養成校が、行政からの補助金カットや実習先病院不足などから、相次いで廃校に追い込まれています。
この20年間で602校から246校に激減し、それに伴って准看護師資格を持つ人の2年課程を設けている専門学校も410校から197校に減りました。

 時代に合わない准看護師を廃止しようという議論もありますが、地域医療が准看護師に支えられていることも事実です。
看護の道に進むにも様々な選択肢があった方が良いでしょう。

 今後、高齢化社会がさらに進み、医療・介護分野における看護師の期待は高まります。
私どもはこの「第三の道」が多くの人に門戸を開き、そこで育った経験豊かな看護師が活躍できるものと確信しています。

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 九大卒。門司労災病院脳神経外科、九大医学部文部教官などを経て、1993年にクリニック開業。