[社会保障ナビ]病床の役割見直し 地域医療に役立つ区分に

2014.01.08

社会保障ナビ]病床の役割見直し 地域医療に役立つ区分に
2014.01.07 読売新聞



 病院や病床の役割の見直しを、国が推進すると聞きました。どういうことですか。

 超高齢社会にふさわしい医療を提供するため、「病床の機能分化と連携」を進めることが、昨年12月に成立した社会保障改革法に盛り込まれた。

その実現に必要な法案が、今年の通常国会に提出される。

 病床に求められる機能には、発症直後の「急性期向け」、在宅復帰を支援する「回復期向け」、長期療養のための「慢性期向け」などがある。

しかし、日本の病床は「一般」と「療養」に大別されるだけで機能別の区分がなく、病院ごとの役割分担も不明確だ。

 一方で、一般病床には看護師の配置数によって4タイプあり、配置が手厚いほど急性期向けの役割が期待されている。

医療保険から病院に支払われる診療報酬も高いため、現在は最も手厚いタイプ(患者7人に看護師1人)にその半数が集中。

急性期向けに偏った病床構成となっている。高齢化に伴い、急性期後のリハビリや在宅復帰支援を行う回復期向けのニーズが高まっているが、対応できていない。

 このため、急性期向け病床に転院先のない高齢患者が残り続け、新たな救急患者が入れないといった弊害が起きている。

高齢患者もリハビリなどが受けられず、在宅復帰が難しくなるケースが目立つ。

 こうした状況を受け、同法では、病床を機能別に区分したうえで、都道府県の役割を強化して区分ごとの必要数を整備することなどを定めた。

 その第一歩として、厚生労働省は現状把握のため、2014年度に「病床機能報告制度」を導入。

病床機能を

「高度急性期」
「急性期」
「回復期」
「慢性期」

の四つに区分し、各病院から現在の機能を都道府県に報告してもらう。

 都道府県は15年度以降、機能区分ごとの必要病床数などを盛り込んだ「地域医療ビジョン」を策定。

これに基づき、病院の自主的な病床転換を促すほか、病院間の「協議の場」を設置して話し合いによる転換を求める。

必要となる改修費や設備費を補助するための基金も、14年度に都道府県に設置。財源には4月の消費税増税による増収分を充てる。

 地域に適した病院・病床の整備と連携が進めば、高齢患者も在宅復帰しやすくなる。

団塊の世代が75歳になり切る25年に向けて、着実に進める必要がある。(野口博文)