地域医療 明日を見つめて*医師偏在 転換なるか

2014.01.05

地域医療 明日を見つめて*医師偏在 転換なるか(2の1)*都市部集中の傾向不変*道内総数 10年で14%増
2014.01.01 北海道新聞

・・・産婦人科では医師不足が深刻で、地方の中核病院でも分娩(ぶんべん)の受け入れ休止が続出。

最近では後志管内岩内町の岩内協会病院が医師の退職により、今月から小児科を除く救急対応を中止する。

・・・・・。

*深刻さ増す産婦人科医不足*IT活用/4千筆署名も

 道内では産婦人科医不足が特に深刻で、地方の妊婦は遠く離れた都市部の病院での健診、出産を強いられる場合が少なくない。

こうした地域では、女性の負担緩和や、医療環境の改善を目指す取り組みも進められている。

 産婦人科医がいない檜山管内奥尻町では、島内でもインターネットで胎児や母体をチェックできる「周産期医療支援システム・ネットワーク」が2008年度に導入された。

町国保病院が胎児の心拍などを専用機器で測定。

データは函館市内の「えんどう桔梗マタニティクリニック」に送り、診断してもらう。

 内診はできないため、システムはあくまで荒天で交通が寸断された際などの健診の補助的役割だが、フェリーや飛行機の欠航が多い冬は利用機会も増える。

函館市が総務省のインターネット利活用事業を受託して導入。これまでに9人の妊婦が利用した。

 同町の主婦長谷川寛夏さん(31)は長男(4)に続き、昨年3月に出産した長女の妊娠中も同システムを使った。

「長女の時は夫が勤務で休みを取れず函館に行けなかった時に活用した」という。

 同クリニックの遠藤力院長は「極めて緊急な事態が生じた場合に、遠隔診断を使えば、素早く応急の処置を指示できる」と話している。

 根室市では06年9月、市立根室病院が分娩(ぶんべん)の受け入れを休止。
妊婦は120キロ離れた釧路市などに通院する。

 市民団体「根室市に産婦人科医を求める会」などはこれまで、医師確保を求めて集めた署名約4千筆と、出産経験者へのアンケート結果を市に提出。

アンケートでは「腹痛や出血があっても、すぐに受診できない」「健診からの帰りの道路で、シカに衝突した」などの回答があった。
会の活動に後押しされる形で、市は市外で出産する妊婦への交通費助成を行っている。

 アンケートに協力した根室の会社員本間亜矢さん(37)は3年前、急に産気づき、釧路に向かおうとしたが、間に合わずに救急車の中で出産した。

今、元気に笑う3歳の息子を見て「無事で良かった」と振り返るが、「今の根室で出産するのは怖いと感じた」。

 同会の宇井三喜子会長(64)は「このままでは少子化に拍車がかかる」と危機感を強める。署名は今後も続け、道への提出なども検討していくという。