初診料上げ120円軸に 厚労省、健保に配慮し80円併記

2014.01.08

初診料上げ120円軸に 厚労省、健保に配慮し80円併記 (日本経済新聞 1・8)
 

厚生労働省は4月の消費増税に伴い、病院や診療所に支払う初診料や再診料の引き上げ幅の検討に入った。

現行は2700円の初診料を120円引き上げて2820円に、同690円の再診料を30円引き上げて720円にする案を軸に検討する。

健康保険組合などの反発も予想されるため、引き上げ幅を初診料で80円、再診料で20円に抑える案も併せて示し、調整を本格化する。


 8日に開く中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の分科会に、2つの案を示す。

厚労省が軸とする案では、患者の窓口負担は3割負担の人で初診料が36円、再診料は9円増える。

同案は治療にかかる基本料金にあたる初再診料の引き上げ幅を大きくして幅広い患者に負担させる形で、日本医師会などが支持している。

 一方、健保組合など支払い側は強く反発。患者が受ける医療サービスに応じて負担するように、個別の治療行為への報酬項目に上乗せし、初再診料の引き上げ幅は圧縮すべきだと主張している。

このため、厚労省は引き上げ幅を小さくし、初診料を2700円から2780円に、再診料を690円から710円にする案も同時に提示する。

 消費増税により医療機関は医薬品や医療機器の仕入れコストが増えるが、診療報酬は消費税非課税で患者に転嫁できないため、初診料などの引き上げで手当てする。

政府は昨年末、2014年度の診療報酬改定では消費増税対応分として1.36%を引き上げることを決めた。


///////////////////////////////////////////////////
2014年度診療報酬改定率、全体でプラス0.1%だが…「損税」補填分除くと実質マイナス1.26%急性期病棟の絞り込み、外来の「主治医機能」の評価が焦点に

2013/12/21 吉良伸一郎=日経メディカル 


 田村憲久厚生労働大臣は2013年12月20日、診療報酬を全体(ネット)で0.1%引き上げることを発表した。

技術料に相当する「本体」部分がプラス0.73%、薬価・材料部分がマイナス0.63%で、差し引き0.1%の引き上げとなった。
「本体」部分の内訳は、医科がプラス0.82%、歯科がプラス0.99%、調剤がプラス0.22%。

 ただし、消費税の「損税」の補填分(1.36%)を除くと全体で実質1.26%のマイナスで、2008年度以来のマイナス改定となる。

 損税とは、医療機関が転嫁できず負担する消費税のこと。病医院が医療機器などを購入する際、価格に消費税が上乗せされているが、保険診療が非課税で患者に消費税を転嫁できないため損税の負担が生じる。

消費税率8%への引き上げが閣議決定したことを受け、増税により発生する損税分を診療報酬で補填する措置が取られた。

 具体的な改定内容に関しては、13年12月上旬に「基本方針」が示され、中央社会保険医療協議会で議論が進められている。
重点課題と位置づけられたのが、医療機関の機能分化・強化と連携の推進だ。

 急性期入院医療では、看護配置が最も手厚く点数も高い7対1一般病棟の絞り込みがテーマとして掲げられた。

基本方針では、7対1一般病棟に軽症の患者が入院するなど、本来求められる機能とのミスマッチが生じている点を指摘。
7対1一般病棟の算定要件である重症度・看護必要度基準の厳格化などの措置が講じられることになりそうだ。

 一方、外来医療について基本方針では、診療所や中小病院の主治医機能の評価、大病院への紹介推進策などを検討課題として挙げている。

このうち「主治医機能」に関して、厚労省は13年10月9日の中医協総会に論点を提示。

高血圧症や糖尿病、脂質異常症、認知症の患者に対する(1)服薬管理、(2)健康管理、(3)介護保険制度の理解と連携、(4)在宅医療の提供・24時間対応――を評価することを論点として掲げた。

点数設定の詳細は今後議論されるが、これらの機能をトータルに評価した包括払いの報酬項目の新設が有力視されている。

 このほか基本方針では、近年の改定で重視されている「勤務医の負担軽減策」を採り入れる考え方を示した。中医協では時間外や休日、深夜の検査、処置、手術への評価を拡充する案が示されており、点数の新設・改編が行われそうだ。