秋田市は、市立秋田総合病院(川元松丘町)の地方独立行政法人化(独法化)に向けた準備を本格化させている。

2012.12.26

 

秋田市立秋田総合病院、独法化へ準備本格化 14年4月移行予定、医療の質向上狙う 職員不足解消へ
2012.12.19 秋田魁新報社 


 秋田市は、市立秋田総合病院(川元松丘町)の地方独立行政法人化(独法化)に向けた準備を本格化させている。
2014年4月の移行を目指し、開会中の市議会定例会に準備経費289万円を計上。
独法化すると、市職員定数条例が適用されなくなるため、看護師ら医療スタッフを採用しやすくなり、医療の質の向上につながるとしている。
だが、県内各病院では経営形態を問わず看護師不足が続いており、狙い通りに確保できるかは不透明だ。

 市病院法人移行準備室によると、市直営の現在、医療スタッフを含めた正職員の定数は473人で、在職者も473人。
産前産後休暇や育児休業などで休職中の看護師は常時20人程度いるが、定数上は上限に達しているため、補充する場合はパートや臨時職員に限られる。正職員採用でないため、応募者はほとんどいないのが実情だ。

 医師も呼吸器内科や眼科などで不足している。準備室は「慢性的な職員不足が解消されれば、患者サービスの向上につながる」と説明する。

 県内では09年、県立脳血管研究センターと県立リハビリテーション・精神医療センターを運営する地方独立行政法人・県立病院機構が設立された。
機構によると、採用の自由度が高まり正職員の看護師を随時募集しているが、補充は思うように進まず職員不足は続いたままだという。

 両センター以外の病院でも医療スタッフ不足という課題は共通しており、市の準備室は「必要な職員数が集まるかは求人を出してみないと分からない」とも話す。

 独法化には経営効率化を進める狙いもある。

市は老朽化が進む病院の改築を視野に入れており、経営体質の強化が必要と判断。

現在は地方自治法の規定が適用されるため、医薬品や事務用品の購入は単年度契約しか結べないが、独法化すれば、複数年度契約が可能になり、経費削減につなげられるという。

既に独法化した他病院のデータを基にした試算では、単年度収支は11年度決算比で年間4100万円改善する。

 独法化後は市が設置する法人が経営し、経営責任者は市長から理事長に変更。職員は非公務員になる。

 総務省が11年に全国897の自治体病院を対象に実施した調査によると、136病院が経営形態を変更、うち40病院が独法化を選択した。
このほか499病院が経営形態の見直しを予定している。

 独法化準備経費を含む一般会計補正予算案は、市議会定例会最終日の21日に採決される。(三井晃子)

 

 【市立秋田総合病院】1927年に市立秋田診療所として開設。
統合を経て58年、現在の名称に変更した。病床数458、診療科24。職員数は699人。
2007~11年度の過去5年間の収入で赤字となったのは10年度だけで、11年度は4億4011万円の黒字。患者数は98年度以降減少傾向にあり、昨年度は42万人。
市の庁内組織「市立病院経営形態検討委員会」(委員長・石井周悦副市長)は今年8月、独法化が最適との結論を出した。