第2回旭中央病院検討委員会~ 4

2012.12.25

千葉県旭市議会議員 大塚ゆうじのブログ
第2回旭中央病院検討委員会~ 4


地域の公立病院の経営一元化をする方法として、
完全民営化、公設民営、非公務員型地方独立行政法人、
公務員型地方独立行政法人、一部事務組合、があります。

この中で完全民営化と公設民営化が論外なのは
旭市民ならわかると思います。
論外ですから
委員会では最初から議論されません。

実は専門家の目から見ると公務員型地方独立行政法人と一部事務組合も論外です。
それがゆえに委員会では話題になりません。

まず公務員型地方独立行政法人の認可に際しては
いわゆる医療観察法第16条に基づく指定入院医療機関となることが必要です。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/pdf/080731_1.pdf
例えば指定入院医療機関の一つである大阪府立精神医療センターを傘下に持つ大阪府立病院機構は公務員型地方独立行政法人です。

中央病院には精神科があるため県も開設者となれば指定医療機関になることは出来ます。しかしながら中央病院の精神科は、強制的な入院や患者の隔離・拘束をする際に診療する義務を持っている精神保健指定医の過重労働が原因で、4年半前に大量退職未遂事件が発生し、診療体制が破綻しました。

現在、千葉大学の協力を得て立て直している最中です。
このような事情があるため司法精神医学にまで手を広げることは出来ません。
その上、県の医療整備課長は中央病院に出資する意向がないとの発言をしています。

したがって公務員型地方独立行政法人は選択肢から外れます。

一部事務組合は病院経営を複数の自治体で行うという点において地方独立行政法人と似ていますが、最大の違いは政治主導という点です。
そのため経営のスピードが遅くなり、地域エゴが出やすく、中央病院の経営に他の自治体の政治家が関与することに旭市民が納得出来るのか、という問題が出てきます。

以上の理由により経営を一元化するためには非公務員型地方独立行政法人がベストとなります。

医療の専門家ではない立場からあの委員会を見ると
非公務員型地方独立行政法人ありきの委員会に見えたかも知れませんが、
今回の委員会は委員の質が高いため、論外の議論は省いており、そのように感じるのだと思います。
しかしながら第3回以降では傍聴者の意見も聞くようですから、他の経営形態が良いと思う方、あるいは経営形態に関する議論が少ないと思う方は委員会に対して質問するなり意見を言うなりすると良いと思います。

参考
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律
(指定医療機関の指定)

第十六条  指定入院医療機関の指定は、国、都道府県、特定独立行政法人
(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第二項 に規定する特定独立行政法人をいう。)
又は都道府県若しくは都道府県及び都道府県以外の地方公共団体が設立した特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第二項 に規定する特定地方独立行政法人をいう。)が開設する病院であって厚生労働省令で定める基準に適合するものの全部又は一部について、その開設者の同意を得て、厚生労働大臣が行う。


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第2回旭中央病院検討委員会 ~5

非公務員型地方独立行政法人化による周囲の自治体病院との経営統合の方法は二通りあります。

一つ目は複数の自治体が一つの独立行政法人を作り、その傘下に各病院を抱えるという方法です。

二つ目は各々の自治体が独法を作り、経営陣である理事の構成を同一として実質的に経営統合をし、職員の相互派遣を行うという方法です。


例えばA病院、B病院、C病院があるとします。

A病院の理事会にB病院とC病院の理事長が理事として入り、

B病院の理事会にA病院とC病院の理事長が理事として入り、

C病院の理事会にA病院とB病院の理事長が理事として入るのです。

その上で、各病院の医師、看護師などの職員を相互派遣すれば実質的に経営統合出来ます。

どちらも一長一短ありますが、中央病院の診療圏の課題を解決するためには後者の方が適切だと考えます。理由は以下の通りです。

1 各自治体で足並みを揃えて独法化する必要がなく、準備できた自治体から順次独法化して経営統合に参加出来る。

2 赤字病院の赤字を黒字病院が埋める必要がなく、
各病院が責任を持って病院運営に当たれる。

3 職員の給料を統一する必要がなく、各病院職員の理解を得やすい。

4 さんむ医療センターなど二次医療圏を超えた経営統合がしやすい。

5 県境を越えた経営統合もしやすい。(制度上、鹿島労災病院を茨城県あるいは神栖市が買い取って独法化し、経営統合することも可能)

中央病院検討委員会での議論に反対する人たちの中には
「病院にまかせておけばそのうち医師は戻って来るだろう」
との意見を持っている人がいるように思えます。

病院だけにまかせた場合、医師が一時的に戻ってきても抜本的な問題解決をしない限り医師の大量退職は必ずまた起こります。

今回は内科、救急救命科、眼科という患者数の多い科で医師が減ったので話題となりましたが、これまで耳鼻咽喉科、麻酔科、神経精神科などで同様のことが繰り返されて、大幅な診療制限が課せられるようになったことを忘れてはなりません。

民意は「市民の負担を増やさずに問題を解決して欲しい」ということだと理解しています。

そのためには経営形態変更と経営統合により、医療の専門家主体で地域にある医療資源を最大限有効活用することが必要です