公立小野町地方綜合病院改革プラン(概要版)

2012.12.23

 

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http://www.izai.net/2008/10/212.html
(公立小野町地方綜合病院経営改革委員会 答 申 書
平成19年1月)


公立小野町地方綜合病院改革プラン(概要版)

【はじめに】
公立小野町地方綜合病院(以下「小野町病院」という。)においては、常勤医師の減少等により医業収益が落ち込むなど厳しい経営状況が続き、緊急に経営改善を図るための抜本的な経営改革が必要不可欠な状況となっている。
安定した病院経営の継続、質の高い地域医療確保のため、ここに公立小野町地方綜合病院改革プラン(以下「改革プラン」という。)を策定し、必要とする具体的な病院改革について定め、計画的かつ迅速に実行していくこととする。

Ⅰ 背景・現状

1 国の医療行政、自治体病院政策
国は医療費の伸びを抑制する方針を明らかにし、新医師臨床研修制度により研修医の偏在が顕著となり全国的な医師不足が問題となるなど重大な弊害が起きている。自治体病院に対しては「ガイドライン」が策定され、全ての公立病院には平成20年度中に「公立病院改革プラン」を策定し、病院事業の経営改革に総合的に取り組むことが義務付けられた。

2 公立小野町地方綜合病院の現状

1)診療体制
現在の診療科は9科で、病床数は一般病床124床、療養病床36床(医療型28床・介護型8床)、結核病床30床の計190床、透析治療(12床)を行っている。
また、訪問看護ステーション、指定居宅介護支援事業所を併設している。
なお、24時間体制で行っていた夜間・休日の救急診療、麻酔科の外来診療については、常勤医師の減少により平成19年10月から休止している。

2)財務の状況
小野町病院の財務状況は、平成18年度から特別交付税措置相当額を負担金として受けることになったことなどから、2年連続の黒字決算となっている。
しかし、平成19年度末累積欠損金は765,551千円と多額で、今後病床利用率の低い病院に対する普通・特別交付税の措置額は大幅に減少することも予想されている。

なお特別交付税については、平成20年度分から措置対象病床数の上限が99床となり、平成19年度まで190床で算定されていた小野町病院の特別交付税は一般・療養病床分が99床で、別単価で結核病床30床分が算定されることから、前年度比△48,530千円の大幅な減となる見込みである。

3 これまでの経営改善への取り組み

平成18年度に出された経営改革委員会の答申においては、公設公営での経営改革を可能な限り模索し、それが困難な場合には公設民営に移行することを検討していくべきとされた。
この答申を受け、小野町病院では公設公営での経営を堅持すべく、各種の経営改革に取り組んできた。

具体的には、臨時職員の大幅削減、医師を除く職員給与の一律カット、給食業務の外部委託化、退職者不補充による事務職員等の削減、その他各種運営経費の徹底した見直し等を行ってきた。

Ⅱ 果たすべき役割と今後のあるべき姿

小野町病院は地域唯一の総合病院として、外来診療、入院診療、在宅診療、透析治療、救急医療を安定的に継続して提供していく必要がある。
今後小野町病院が公立病院として果たしていくべき役割は、入院機能を生かした高度・先進医療を担う大規模病院と自宅又は各種老人福祉施設等をつなぐ架け橋的な役割であり、地域の発展に欠かすことのできない地域医療の中核施設としての役割にある。

具体的には、
①初期医療、入院機能を生かした急性期医療と亜急性期・回復期、慢性期の患者を対象とした医療の提供
②地域にない(少ない)診療科目(眼科、耳鼻咽喉科、小児科、整形外科、透析医療など)にかかる医療の提供
③老人福祉施設、介護サービス事業所などとの連携、協力による高齢者福祉の維持、充実
④構成市町村等との連携・協力による、検診業務等の予防医療を通じた地域住民の健康増進への貢献
⑤住民の安全・安心のための夜間・休日の救急医療
⑥訪問診療、訪問看護・リハビリ等による在宅医療、在宅介護サービス などである。

Ⅲ 改革プランの基本方針

1 ガイドライン3つの視点
ガイドラインに示された「経営の効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態の見直し」という3つの視点と小野町病院が必要とする改革は基本的に一致するものであり、それぞれの視点に基づいた今後取り組むべき具体的な改革事項について、事業項目、数値目標を掲げて定めるものとする。

2 改革プランの計画期間、改定及び進行管理
改革プランの計画期間は、平成20年度を初年度とする6ヵ年(平成20年度~平成25年度)とする。
なお、改革プラン策定後2年を経過した時点(平成22年度)において改革プランに掲げた経営指標に係る数値目標等の達成が著しく困難となった場合は、改革プラン全体を抜本的に見直すものとする。
改革プランの進行管理は、院内の「経営改革会議」において行う。また、改革プランを確実に推進するための組織を、平成21年度の早い時期に院内に設置する。

Ⅳ 経営改善

1 経営の効率化
改革プランの策定にあたっては、平成22年度以降において普通・特別交付税措置に基づく市町村負担金が相当額減額となることを想定した上で、経常収支比率100%以上を維持していくことを目標とし効率化を図ることとする。

改革プランを達成するための経営指標、数値目標は以下の通りとする。
①経常収支比率 目標値 100%以上維持(計画期間中)
②職員給与比率 平成25年度末目標値 52.4%
③医業収支比率 〃 96.3%
④病床利用率 〃 87.0%
⑤材料費比率 〃 31.6%

具体的改革事項は以下の通りとする。
①職員給与削減(5%)の継続 ②職員手当の見直し
③診療科目・訪問診療の充実 ④医師の待遇改善
⑤夜間診療の再開、夕方診療の実施 ⑥院外処方の検討、薬事指導の充実
⑦未収金対策の徹底 ⑧患者送迎の充実
⑨不用・未利用財産の処分 ⑩各種燃料の効率化 外
2 民間的経営手法の導入
平成20年度より給食業務を全面委託し、医事業務も委託範囲を拡大した。今後は他の業務についても、効率性、採算性などを十分に精査し、外部委託化の可能性について検討していくこととする。
また、部門別収支管理、医療行為別収支管理を徹底し収益性の向上を図っていくこととする。
また、組織力の向上、職員個々の能力・知力・活力を高めるため、一定のルールを定めた人事評価制度を構築、導入する。

3 患者サービスの向上
1)利用者満足度調査の実施
利用者アンケートを実施し、意見等に対する回答の公表(院内掲示等)を行って、患者をはじめとした病院利用者の満足度を高めていく。
2)院内の全面禁煙
最適な療養環境を提供し、患者の健康を守るべき医療機関として院内の全面禁煙を早急に実施する。
3)院内ボランティアの設置
各種ボランティア団体等の協力を得て、院内における患者介添え等のサービスを実施し、患者サービスの向上を図る。
4)総合相談窓口の充実
「気軽に相談できる」、「相談者が満足できる」、「相談者のための」充実した 相談窓口となるよう、応対する職員の教育、相談環境の整備を図っていく。
4 職員の経営参加
職員一人一人が病院全体に目を向け病院経営に意識を持ち、職種間の垣根を越えて病院に対しこれまで以上に愛着を持ち、やりがいをもって仕事に励むことが経営改善を行うにあたって最も重要なことである。
全職員が、各部署横断的な活動を行う場として、次の組織を設け活動していくこととする。

①接遇委員会
患者等への接遇向上を目的に、状況把握、改善のための具体的な施策について検討、実施する。
②広報委員会
複雑に変化する医療政策、病院の医療サービスなどを利用者、地域住民に正確に伝え病院についての理解を深める。
③環境委員会
快適な病院環境づくりを目的として、病院内外の環境整備(各種掲示物の管理を含む。)について検討、実施する。
④地域活動委員会
病院職員のもつ専門的な技術、能力などを生かしたボランティア活動(健康教室の開催、各種団体会合での講演等)の実施について計画立案、実施する。
⑤研修委員会
病院職員の勤務能率向上を図るため、各種院内研修の企画・立案、実施する。

5 医師確保対策

常勤医師の早期確保を図るため、福島県立医科大学への派遣要請をはじめとして、あらゆる方法により医師確保活動を強力に進めていくこととする。

1)福島県立医科大学
福島県立医科大学との連絡・連携を密にし、現在受けている非常勤医師の派遣継続、更には常勤医師の再派遣を要請していく。同様に福島県に対しても、医師の派遣協力を要請していく。

2)その他
福島県立医科大学以外からの医師確保を図るため、下記の各種医師確保策を講じていく。
①地元出身医師等の把握、勤務依頼
②関連する病院に対する医師派遣依頼
③インターネット等広告媒体を利用した医師募集
④医師派遣の仲介業者を通した医師確保

Ⅴ 再編・ネットワークの推進
現在においても、一次・二次医療圏内の医療機関、福島県立医大などの県内の医療機関とは、患者紹介、常勤・非常勤医師の派遣、各種研修等を通じ連携、協力をとっているが、現在の経営状況、医師確保対策・医療機能確保の状況からすれば、今後も地域全体で必要な医療サービスが提供されるよう、再編・ネットワーク化を図っていく必要がある。
また、県が再編・ネットワーク化の協議の場として設置した「福島県地域医療対策協議会」での検討を要請していくとともに、小野町病院としても再編・ネットワーク化についての検討を積極的に行い、平成23年度末を目途に結論の取りまとめを行うこととする。

Ⅵ 構成市町村の経費負担
各構成市町村から小野町病院への経費負担については下記のとおりとする。
①各構成市町村の負担割合は、これまで同様、公立小野町地方綜合病院組合規約に規定された分賦割合により決定する。
②負担額は、議会経費等の一部経費を除いて総務省自治財務局長通知の繰出し基準に基づき算定することとする。
③ただし、高額な医療機器の整備、病院施設の大規模な整備にかかる費用については、その都度協議し決定することとする。
④小野町病院の財務の状況については、担当課長会議等を通じ各構成市町村と連絡を密にし、必要な情報の共有を図ることとする。

Ⅶ 事業規模、経営形態、組織の見直し
1 事業規模
入院患者数の減少、病床利用率の低下は、常勤医師数の減少が最大の要因であり、入院患者数の増加による病床利用率向上のためには、常勤医師、看護師の確保が必要不可欠である。
現在の入院需要、診療体制について検討した結果、
・医師をはじめとした医療スタッフの確保が困難な状況にある
・平成10年度以降の1日平均入院患者数は最大で105人、平均では100人を下回っている
ことなどから、平成20年度中に病床数を50床程度削減することとする。
また、平成21年度以降においても、小野町病院への入院需要、医師確保の状況等を調査・検証し、更なる病床削減の必要性、削減した場合の空室の利用方法等について慎重に検討し、事業規模の見直しを行うこととする。
①平成20年度中に一般病床を50床程度削減する。
②結核病床(30床)については、現在の利用状況、看護師数の状況を勘案し、廃止等について平成21年度末まで結論を得る。
③療養病床8床(介護型)については、平成23年度末で廃止されることから、療養病床(医療型)に移行することとする。
④平成21年度において、平成20・21年度の病床利用率、小野町病院への入院需要、医師確保の状況等を調査・検証し、更なる病床削減の必要性、削減した場合の空室の利用方法等について結論を出すこととする。

2 経営形態

1)基本的な考え方
地方公営企業の基本原則は「企業の経済性を発揮しつつ、公共の福祉の増進に寄与すること」であり、採算性と公共性を同時に安定して確保していく必要がある。採算性の確保や直面する経営課題に機敏に対応し着実に解決していくためには、経営責任をより明確にし企業的感覚を取り入れた病院経営を行っていく必要がある。
地方自治体を取り巻く厳しい状況、当病院の状況を鑑みた場合、今後も安定した病院経営を行っていくためには、予算、人事などの独立した権限を有する病院事業管理者の設置、企業独自の給料表の設定が可能となる「地方公営企業法の全部適用」による運営方法を速やかに導入すべきとの結論になった。

導入時期は、1年の移行期間を経た後の平成22年4月とする。
2)移行スケジュール
平成21. 4~ 病院内部において具体的な検討、準備
平成21. 7~ 職員の説明
平成21. 9~ 議案等の作成
平成21. 12 議案の上程、議決
平成21. 1~ 病院事業管理者の候補者選任など
平成22. 4 全適による運営開始

3 院内組織の改編
組織体系については、指揮命令権、運営管理の対象を明確にしながら現状に即した見直しを行うこととする。
また、迅速な意思決定を行うための組織として、院長・部長相当職までの少人数(5人程度)による会議を設置する。具体的な組織改革の内容は下記のとおりとする。

改編の時期は平成21年4月とする。
(主な改革事項)
①診療技術部の新設
②事務部の整理(管理課を廃止し総務課に統合、7係を総務、管理、医事、地域連携・相談の4係に削減)

Ⅷ 改革プランの点検、評価及び公表
1 改革プランの点検及び評価
改革プランの点検及び評価を行うため、「公立小野町地方綜合病院改革プラン評価委員会(仮称)」(以下「評価委員会」という。)を組織し、毎年度1回程度会議を開催することとする。なお、評価委員会の委員構成は別途定めることとするが、病院職員に加え外部有識者を選任することとする。

2 改革プランの進捗状況等の公表
改革プランの進捗状況、評価委員会の評価内容については、次の方法により公表するものとする。
①概要を各構成市町村の広報紙、病院広報紙で公表する。
②詳細を病院ホームページで公表する。




http://www.ono-hp.jp/byouinkensetu/koukoku.pdf

http://www.ono-hp.jp/kaikaku/kaikaku.html