前立腺がん全摘に内視鏡ロボットを導入

2012.12.19

 

前立腺がん全摘に内視鏡ロボットを導入
2012.12.18大分合同新聞

 由布市の大分大学医学部付属病院は、遠隔操作の内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を県内で初めて導入し17日、1例目となる前立腺がんの全摘出手術を行った。

人間の手と同等以上の精度とコンピューターによる制御で高い安全性を得られるダビンチを使った手術は、出血が少なく、尿失禁など術後の合併症のリスクも低いという。患者の身体的な負担が小さいため、早期の回復が期待できる。


 泌尿器科を中心に専門的な訓練を受けたチームが手術を担当し、同科の三股浩光教授が執刀した。年内にさらに2例の手術を予定している。

 ダビンチは米国製で、高さ175センチ、重さ約540キロのロボット部と医師が座る操作台などで構成。ロボット部には4本の腕があり、自由に操作できる3本の腕の先端部に直径8ミリ、長さ1~3センチほどの鉗子(かんし)やメス、1本にはカメラ(内視鏡)を装着している。

 手術は、患者のおなかに開けた1センチほどの小さな穴からダビンチの腕の先端を挿入して行う。ケーブルでつながった操作台に医師が座り、拡大された立体画像を見ながら左右の親指と人さし指に取り付けた装置を動かすと、手の動きや指の開閉がそのままダビンチの動きとなり、患部の切除や縫合ができる。

 現在、ダビンチを使った手術で公的医療保険が適用されるのは前立腺がんの全摘出手術に限られる。高額療養費制度も適用されるため、患者の実質的な負担額は開腹手術とほとんど変わらない。

国内では既に70以上の医療施設が導入し、心臓血管外科や消化器外科などの疾患での使用例もある。米国では前立腺がんの全摘出手術の90%以上がダビンチで行われている。

 導入費用は約3億円。県の地域医療再生基金で約2億円の補助を受けた。
野口隆之病院長は「県民に最先端の医療を提供するとともに、医師や研修医の確保に向け、先進医療・高度医療を経験できる臨床研修施設であることをアピールしたい」と話している。

大分合同新聞社