伊達赤十字病院*本年度赤字3億円見通し*市に3年目補助要請へ

2012.12.15

伊達赤十字病院*本年度赤字3億円見通し*市に3年目補助要請へ
2012.12.14 北海道新聞

 【伊達】経営難のため市が2010年度から2年連続で2億円を補助している伊達赤十字病院について、市は13日、同病院から提出された12年度決算見込みと11年度決算を公表した。

12年度の総収支は総額3億1千万円の赤字が見込まれる。
同病院は、「借入金返済などのため、当面は市の支援は必要」とし、年明けに3年目の補助を要請する考えだ。(平山栄嗣)

 12年度の収支のうち、本業の医業収支(診療関係の収支)は1億7千万円の赤字。11年度決算比の減少率は5・5%だった。

 総収支は、医業収支に医業外収支や医療奉仕、看護専門学校などの事業を加えたもの。
10、11年度の両決算で医業外収支に含まれていた2億円補助が加わると仮定すると、12年度の赤字額は1億1千万円となり、11年度決算と同額になる。この3年間で悪化はしておらず、市の支援による経営改善の方向性を維持した。

 市は同日、この内容を市議会全員協議会に報告。議会側は11年度に補助を決めた際の付帯意見に対する、同病院の改善の取り組みを質問。
市は
《1》医師別の外来待ち時間を示す表示板を設置《2》市民の意見を年3回の「対話推進懇談会」で聞いて業務改善を進めている-などと説明した。

 菊谷秀吉市長は決算見込みについて「収入は手堅く、赤字は大きめに見ている。
実際には総収支の赤字は2億数千万円に収まるのではないか」と述べた。

*経営改善 決定打欠く

 <解説>伊達赤十字病院の経営問題は、2009年から10年にかけてのボーナス大幅減などの人件費削減により一定の収支改善が見られたが、それ以降は悪化の傾向ではないものの経営改善の決定打を欠く状態が続き、赤字体質が改善されたわけではない。

同病院の経営は、医学部を卒業した医師に2年間の臨床研修が義務づけられ、各地の医師不足が問題化した2004年度に急激に悪化。総収支で初の10億円台の赤字が3年続いた後の07年、「地域医療の機能低下を防ぐ」として市が5億円の単発融資で支援を開始。
10年度から毎年2億円の補助が加わった。

 市の支援を背景に病院の経営改善は09~10年度に加速。支援前の06年度にそれぞれ約9億円と約12億円だった医業収支と総収支の赤字は、10年度にはともに約2億円に圧縮された。
09年度は臨時とパート職員を2割減、09~10年度は職員ボーナスの半減を実施した。

 病院の収支は大幅な人件費減で改善に向かったが、「医療職員の流出が懸念される」として11年度から削減率を緩和。
以降、補助金効果が反映されない本業の医業収支では劇的な改善は見られない。

 2億円の市補助金は《
1》融資した5億円の返済が11年度から5年間で始まったことにより毎年市に戻る1億円
《2》毎年の国の特別交付税9千万円-が主な財源で、補助は融資の返済分を充てられる15年度までしか続けれられないとも考えられる。

 病院側は、赤十字本社が派遣する応援医師(現在3人)を含めた総合病院機能の充実や職員の時間外手当圧縮、医薬品材料の値引き交渉などの努力を「今後も少しずつ積み上げる」とするが、改善が足踏み状態になれば、市議会などから厳しい指摘を受けそうだ。