松本の相沢病院、陽子線治療を導入 13年秋にも稼働 /長野

2012.12.15

松本の相沢病院、陽子線治療を導入 13年秋にも稼働 /長野


毎日新聞 2012年10月04日 




がん治療に活用する陽子線の照射装置。黒い台に患者が横たわり、装置全体が360度回転する

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 松本市本庄の相沢病院は、がん治療用の「陽子線10+件治療センター」を報道機関などに公開した。

陽子線10+件治療は患部の深さや範囲に合わせてピンポイントで陽子を照射し、正常な細胞や重要な臓器を傷つけずに体の奥にある、がん細胞を死滅させるのが特徴。
導入は甲信越地方で初めてで全国10カ所目。13年秋の治療開始を予定する。

 同病院によると、水素原子から電子を取り出し、イオン化した陽子を大型の「サイクロトロン」で光速の約70%にまで加速して照射する仕組み。肺や前立腺、小児など各種がん治療に有効で、高齢者や、合併症で手術が困難な患者の治療にも期待される。

 巨大な設備が必要なため、全国でも市街地に立地するケースはほとんどなかったが、同病院は地下2階部分にサイクロトロン、その真上の地上1階に陽子線10+件の照射装置を据える「上下配置式」を世界で初めて実現した。照射装置を360度回転させる「回転ガントリ」も小型化し、病院敷地内で、既存の「がん集学治療センター」に併設することが可能になった。

 上下配置式で用地費などを圧縮し、総事業費は従来の半額の約50億円になった。年間200〜250人の患者が利用し、治療費は1人250万〜280万円を見込む。

 相沢孝夫院長は「小型化、低コスト化により一般病院でも設置できるメリットは大きい。治療の選択範囲が広がることが重要で、がん患者全体の役に立てたい」と話した。【大島英吾】