海外メール イタリア 冬の受診は予約が必要

2012.12.08

 

海外メール イタリア 冬の受診は予約が必要
 
2012.12.03中国新聞 


海外メール・イタリア



 チャオ! 2年前の冬。息子の体に赤い発疹を発見し、診療所に連れて行きました。
受付で「予約してないのですが大丈夫ですか」と聞いたら「医師に直接聞いて」との返事です。
診療所は複数の医師が共同で開いており、受付の人は予約をとるだけで他の事はしません。

 さて、待合室でしばらく待っていた私たちに診察室から出て来た医師が「予約ないなら診察しないから!」と一喝。怖いっ。
1枚の紙を渡され、追い返されてしまいました。

 その紙を辞書でなんとか解読したら、患者が多い冬は必ず予約をするようにと書いてありました。
予約なしでは受診できないのです。

 イタリアは家庭医制です。
家庭医制とは、1人の医師を家庭医として登録し、医療行為はここを窓口とします。

 専門医(眼科・婦人科など)を必要とする場合は、まず家庭医に行き、そこで予約票を書いてもらいます。
その後、予約票を使って自分で専門医のいる病院や総合病院を予約するのです。
血液と尿検査は専用のセンターがあり、そこで採血・検尿をし、後日結果を取りに行きます。

 家庭医は無料ですが、そこから先は有料です。
しかし、家庭医の出す予約票があれば健康保険が適用され、支払いは上限が約4千円になります。

 なーんて簡単そうですが、公立病院を予約するのは大変。数カ月待ちは当たり前です。
子どもの視力検査をしたくても「予約は6カ月後です」ですって。

 早く受診する方法はあります。
医療費を全額自己負担し、私立病院に行けばいいのです。
すぐ受診でき、サービスもばっちり。
金を払わないと日本並みのサービスは受けられません。

 さて、話は戻って息子のこと。追い返された医師のところへはもう行きたくない。でも放ってもおけません。

 解決方法は二つ。救急か当番医です。
まずは救急病院。24時間開いていて無料です。
でも、何時間待ちになるのか分かりません。子どもを連れて行くのはちょっときつい。

 そこで当番医にお願いしました。
イタリアの当番医とは、平日の夜と土日祝日のみのサービスで、医師が往診してくれます。
そして1回約8千円をその場で支払います。高い。

 値段によって受けられる医療サービスの質が変わるイタリア。まだまだ慣れません。(和田忍=トリノ在住、イラストも)

 わだ・しのぶ 広島市南区出身。広島市立大芸術学部卒業後、会社勤めなどを経て、2007年からイタリア人の夫とイタリアへ移住。2人の子どもとトリノで4人暮らし。現在、求職活動中。