医療関係者は落胆「現税制は不公正」 消費税控除訴え棄却

2012.12.03

医療関係者は落胆「現税制は不公正」 消費税控除訴え棄却 /兵庫県
2012.11.28朝日新聞社 


 医療機関が支払った消費税が事業者の控除の対象外になる現行の消費税法について、憲法の平等原則に反するかどうかが問われた国家賠償請求訴訟があり、神戸地裁は「不合理な差別にはあたらない」と判断した。
医療関係者からは落胆の声があがった。

 診療報酬と消費税の問題は、かねて医療事業者の間で「不合理な税負担」と指摘されてきた。

日本医師会など医療関係の7団体は今月、消費増税を受けて、厚生労働相と財務相に課税のあり方を検討するよう要望書を提出。消費税控除を求め続ける構えだ。

 原告の医療法人「中央会」(尼崎市)の吉田静雄理事長は「現在の税制はあまりに不公正」と憤る。

 日頃から多量の薬剤を仕入れ、X線などの設備も定期的に更新する必要がある。
こうした費用には消費税がかかるが、患者から受け取る診療報酬は「非課税」とされている。
このため、支払った消費税は丸ごと医療機関の負担になる。

 中央会が運営する病院の消費税負担は、年間7千万~8千万円。
消費税率は2014年に8%、15年に10%に上がる予定で、吉田理事長は「このままでは病院がつぶれる」と懸念する。

 年間1億円ほどを負担しているという県内の公立病院の担当者も「ただでさえ経営は厳しいが、さらに経費削減を考えねば」。

 原告側代理人の吉村幸祐弁護士は「診療報酬の改定によっても、多くの医療機関が多大な負担を強いられている。現状を十分に理解されず、適正に評価されなかったことは誠に残念だ」とコメント。今後、控訴を検討するという。(井上裕一)