「在宅医療連携拠点は必要」 国立長寿医療センター シンポで「仕分け」に不満

2012.11.30

「在宅医療連携拠点は必要」 国立長寿医療センター シンポで「仕分け」に不満
2012.11.30 週刊環境新聞社 


 地域包括支援センターとの整理が必要として先ごろ行われた行政刷新会議の「新仕分け」で抜本的な見直しとされた「地域医療連携拠点」だが、23日に都内で開かれたシンポジウムで推進役の国立長寿医療研究センターの三浦久幸在宅連携医療部長は、「包括センターでは不十分」と必要性を訴えた。

シンポジウムは、「在宅医療連携拠点が目指す地域づくり」として、国立長寿医療研究センターなどが主催した。

 医政局のモデル事業となっている「連携拠点」は今年度105カ所。
ケアマネジャー資格を持つ看護師、医療ソーシャルワーカを配置し、地域の医療・介護関係者の「顔のみえる関係づくり」を行う。

 長寿医療センターは、拠点のリーダー研修を実施。三浦氏は全国の拠点を行脚し、実情を分析しているという。実施主体は、訪問看護ステーション、医師会、病院、自治体など多様。

 三浦氏によると、「地域の実情に合えばどこでもいい」。
今後は都道府県が医療機関に医療・介護の連携方策を盛り込むことになるが、「大都市部では人口規模8~10万人に一つの拠点が必要」と指摘した。

 「地域包括支援センターは、介護予防や虐待など困難ケースで手一杯。福祉サイドではドクターに対して敷居が高いという問題もある」と、「連携拠点」の必要性を訴えた。
今後は介護保険の中で恒久化される可能性もあるという。

 山形県鶴岡市では医師会がICTを活用し、「医師会モデル」の確立に向け取り組んでいる。
在宅医療資源マップのほか、ショートステイの空き情報や各施設での医療依存度の高い人の受け入れ基準などをネットで情報提供しているほか、行政の地域ケアネットワーク会議などへ定期的に参加するなど、連携に努めている。

 福井県大野市では行政が実施しているが、「医療、介護の連携強化に加え、住民への意識啓発にも中立的に取り組める」ことをメリットとして挙げた。

 連携の場や関係づくりなど医療サイドから地域包括ケアが目指されているが、地域包括支援センターへ期待される役割とまったく同じとは言えないようだ。