未来を託す:桑名市長選を前に/下 地域医療 /三重

2012.11.24

 


未来を託す:桑名市長選を前に/下 地域医療 /三重
2012.11.23 毎日新聞

 ◇医師確保など問題山積

 三重大教授会に、桑名市総合医療センターの3病院長らが出向いた。
狙いは15年4月に開院する新病院の医師確保。
今年7月に公表した基本計画を説明し、教育学部や工学部の教授にも新病院をアピールした。

 医学部教授だけに医師派遣を求めていた従来方式を改めた。
「他学部の先生にどこまで届いたかは分からないが、組織全体への要請も必要と考えた」と、奥村秀郎・新病院準備室長は話す。

 桑員地区の基幹病院を目指す新病院にとって、医師確保は喫緊の課題。原則すべての救急患者の初期診療にあたる「ER型救急体制」を導入し、新生児集中治療室(NICU)や、がん治療を行う放射線科も設けるには医師増員が欠かせない。

 だが、市地域医療対策課の黒田勝課長は「事務職が医師に来てくれるようお願いに行っても、約束を取り付けるのはなかなか難しい」と言う。医師同士で下地を作った上で「最後は、政治によるところが大きい」。

 地方独立行政法人の市総合医療センターは4月に発足した。全国的にも珍しい地方独法と医療法人の病院統合。新病院完成までの間、東、西、南の3病院に分かれ運営する。

 新病院は、入院治療が必要な患者に対応する「2次医療」が可能で、緊急・重症患者に専門的な医療を提供する400床程度の「急性期病院」。
土地の売買契約も済み、来秋には着工見通しで、建設計画は順調に進んでいる。

 だが、ソフト面では医師確保以外にも問題が山積する。

 新病院開院に伴い、廃止される療養病床(42床)。利用者30人ほどを転院させる必要がある。今も医師会を通じて受け入れ先を探している。

 開院時に機器や医療スタッフが計画通りになるとは限らない。機器更新も今後、必要になるだろう。新病院の関係者は話す。「市トップが財政措置で政治的判断を迫られる日も来るだろう」【岡正勝】