[最前線]小児医療センター 登録医制度 地域の医師と連携強化=群馬

2012.11.19

 

[最前線]小児医療センター 登録医制度 地域の医師と連携強化=群馬
2012.11.18読売新聞  



 ◆患者受け入れ、逆紹介 スムーズに

 県内の小児医療の中心的役割を担う県立小児医療センター(渋川市北橘町下箱田)は、8月1日から登録医制度を開始し、10月1日に運用を始めた。
センターと開業医ら地域医療機関との連携を密にして、患者により良質で適切な医療を提供することなどを目指している。

 制度開始から約3か月が過ぎ、11月12日現在、95医療機関の医師125人が登録している。
同センターの外松学・地域医療連携室長(58)は「急性期はセンターで預かるが、一段落したら患者さんを地域へ戻すという考え方。
開業医らとの行き来を密に、双方向の役割分担を目指したい」と制度の意義を説明する。

 同センターはそもそも専門医による救命救急の「3次救急」病院であり、同時に入院や重症患者の治療に当たる「2次救急」として北毛地区の輪番も担当している。

このため紹介患者は全体の約90%を占める。
一方で、基幹病院などで20~30%あるとされる、患者をかかりつけ医の元へ戻す「逆紹介」率は10%に満たないという。

登録医制度では、同センターの地域医療連携室が窓口になり、紹介患者の受け入れはもとより、登録医への逆紹介も円滑に行うよう努める。

 同センターでは現在、150ある病床のうち産科とNICU(新生児集中治療室)を除く、約100床はほぼ満杯状態が続いている。

外松室長は「小児の場合には様々な病気があり、中核病院などと異なる面も多いが、(開業医らに)患者さんを戻さなければ病床が空かず、外来の診療も一杯になってしまう」と打ち明ける。

 また、重症の病気治療を受けたことがある子どもが、風邪で発熱するなどの軽症でも、1時間以上かけてセンターに来る例があるという。

だが、まずは近くの医療機関を受診することで、患者も、センターの医師も双方の負担を軽減することが可能だ。
「さらに重篤な病気の可能性が見つかった場合などに、すぐセンターへ来て対処できる態勢を整えておけば良いと考えている」と外松室長は言う。

 登録医となった高崎市で開業する男性小児科医(40)は「センターには従来、紹介窓口が無く、個別に先生に電話していた。
制度ができたことは良いと考える」と評価している。

 このほか、同制度では、センターで年に数回行っている研修会や症例検討会などへ登録医にも参加してもらったり、「小児医療センターだより」をメール配信したりして共に研さんを積む機会を増やしたいとしている。

登録した小児科医は「治療法などは日々変わっている。関わる上で情報が無いと困るので、研修の機会などは有意義だと思う」と期待も込めて話す。

 外松室長は「逆紹介や情報発信など、積極的な態勢作りで、地域連携を推進していきたい」と話している。