「BSジャパン11・6 最善の医療・・関連記事」

2012.11.07

 

「BSジャパン11・6 最善の医療・・関連記事」


OECD医療部門長、マーク・ピアソン氏とのMonthly IHEP有識者インタビュー「OECD Health Dataによる医療の国際比較・・・・(岡部陽二ホームページ抜粋)2012年10月15日


岡部 スウェーデンでは、風邪くらいでは医師には絶対にかからない、予約をとって10日も待たされている間に治るからだと聞きますが。


 
ピアソン 確かに、それが理由かもしれません。
イギリスでも、風邪で医師にはかかりません。
そもそも、なぜ風邪で医師に診て貰う必要があるのでしょうか。
でも、フランスでは医師へ行って「ウィルス性の風邪ですね、万一のために抗生剤を出しておきましょう」ということになります。

「あと、鼻の薬も出しておきましょうね」と。ただの塩が入った水ですが、それが処方箋に載ります。

「あと、頭痛の薬も出しましょうね」というような具合で、風邪で医師に行くと3~4種類の薬が処方されます。
フランスの満足度のレベルは非常に高いのは本当です。
医師はいつも愛想がよいし、医師の診断書で仕事も休めます。
医師に病気だと言えば、何日休みたいかと聞いてくれます。ですから、医療機関間の競争が激しい国では、国民の満足度レベルは間違いなく高くなります。


 
岡部 オーストラリアも似たような状況かと思いますが。

 
ピアソン オーストラリアもそうですね。
ただ、だからどうなのだということです。
医療サービスに対するフランス人の満足度は高いですが、一方で不適切な処方が多いという事実をどう考慮すればよいでしょうか。

コストが高くなるだけでなく、イギリスなどと比べて抗生剤に対する耐性が高い菌やウィルスが蔓延するといった問題もあります。
 
もう一つ、所得格差による不平等をどう見るかという問題があります。
イギリスやオランダのような国では、医療へのアクセスに当っての所得レベルの違いは意味を持たなくなりました。
プライマリケアのレベルだけではなく、専門医のレベルでもそうです。
他方、たとえば、フランスでは裕福であればあるほど、好みの医師にかかることができます。これも、満足度を高める要因に働いています。
 
フランスでは裕福な人は好きなだけ医師にかかることができ、貧乏な人はお金が出せる範囲で医師にか かることができ、それぞれ満足しているわけです。
これは、不平等ということではなく、社会経済的な差異と認識されています。
それが良いことなのか悪いことなのか、私には分りません。
OECDでも患者の意識調査を試行的に始めています。
患者体験についての6つの質問を用意したアンケート形式の調査で、13ヵ国ほどの比較を試みたものです。この結果は、いずれ発表します。