BSジャパン11・6 最善の医療・・関連記事」 ~2    OECD医療部門長、マーク・ピアソン氏とのMonthly IHEP有識者インタビュー

2012.11.08

 

BSジャパン11・6 最善の医療・・関連記事」 ~2


OECD医療部門長、マーク・ピアソン氏とのMonthly IHEP有識者インタビュー「OECD Health Dataによる医療の国際比較・・・・(岡部陽二ホームページ抜粋)2012年10月15日


○保健医療支出以外のOECD Health Dataについて

岡部 
 次に、医師数の国際比較からは、どのような結論が出ますか。
人口比での医師数はOECDでは、ギリシャが人口千人当たり4人を超えていて、最大です。
OECDではありませんが、ロシアも4.5人と多いです。

ピアソン 
 でも、ギリシャでは看護師が極端に少なく、医師が看護師の仕事をしています。
医師がたくさんいて、看護師はいないという状況です。
ギリシャでは、10年ほど前から医学部の学生数を増やしてきました。
その結果、明らかに医師の供給が需要を上回っています。

岡部 
 ほかの国については、医師の数をもっと増やしたほうがよいと見ておられるのでしょうか。

ピアソン 
 そうですね。
医師数の問題のひとつは単に医師の総数ではなく、専門医と一般医(GP)の比率です。
多くの国で専門医の数は急速に増えていますが、GPの数は増えていません。
 
専門医が多くなる理由はよく分かります。
多くの国では、GPは二流の医師と思われているからです。
でも、イギリスは例外です。
世界中で、GPにも専門医と同等、あるいはそれ以上の給料を支払っているのはイギリスだけです。
 
アメリカなどでは、専門医とGPとでは稼げる額が格段に違います。
お金はかかりますが、イギリスと同じようにGPの収入を引上げる国が増えないと、専門医が増え続けます。
 
私の個人的な意見としては、医師の総数より専門分野への集中のほうが大きな問題であると思っています。

高齢化の進んでいる日本などでは、おそらく今後20年以内に、一度に複数の疾患を抱えた患者の数が膨大に増えるものと思います
。関節炎とか糖尿病とかガンとか。
そうなった場合に、それぞれの専門医に別々にかかるというアプローチは間違っています。
患者に対する心遣いの行き届いたGPが必要です。


岡部 
 OECD加盟国の中でGPの数を報告していないのは、日本だけです。これまで、そのような分類がなかったからですが、導入する計画は進んでいます。

ピアソン 
 GPをどのように定義するかは、国によってまちまちです。医療費のように、OECDで共通の定義をすることも困難です。

また、専門医の質を測るほうが、GPの質を測るよりずっと簡単です。
産婦人科医のような特定の分野のスペシャリストであれば、定義が比較的簡単です。
GPといっても、クリニックで小児科医として働いている医師もいます。
その場合には、仕事の大半が小児科医という専門医になります。
ただ、それはその医師のステータスが専門医というだけで、彼が出す請求書は小児科医として働いているクリニックからのものになり、GPと区別するのは困難です。
ですから、様々な専門医に関するデータを収集するのは、とても難しいことです。
これは国によって定義が異なり、国際的な比較が難しい分野のひとつです。

岡部 
 専門医とGPの収入をOECDに報告している国の数も限られていますね。
でも、すべての国が報告するようになれば、日本のように勤務医の給料が低い国の政府はパニックに直面するかも知れません。

ピアソン 
 それは韓国で問題になりました。
韓国では病院サービスの料金体系が信じられないほど低いのです。
プライマリケアでも、同様に低い水準です。韓国も公表しようとはしていません。
米国のように、医師が高給を取っている国のほうが例外的かも知れません。