県立病院の独法化の動き/県政へ懸念の声届けよう

2012.08.01

[論壇]/知花喬/県立病院の独法化の動き/県政へ懸念の声届けよう 
2012.07.28 沖縄タイムス  


 私たちが安心して生活する上で欠かすことのできない地域医療。 
365日24時間、いつでも、どこでも、誰でも、受け入れてくれる病院がある。 

このことは当たり前ではないのです。 
小泉政権以来、さまざまな分野で官から民への流れが起きています。 

医療現場も例外ではなく「公立病院改革」の名の下に民営化への流れがつくられつつあります。 
その結果、全国では地域医療が崩壊し、患者の受け入れが断られ、「たらい回し」が起きています。 
沖縄では、患者のたらい回しがありません。 

 なぜなら、地域の民間病院と県立を中心とする公立病院が医療連携をきちんととっており、最終的に県立病院が患者を受け入れる最後のとりでとなっているからです。 

現在、沖縄県は県立病院を「赤字体質」を理由に県直営から切り離し、独立行政法人化(以後独法化)への運営形態の変更を検討しており、本年度中にも知事はその是非を判断するといわれています。 

 現在の県立病院は利益よりも公益性が求められます。もちろん県立病院も必死で努力してこの3年間で大幅な経営改善を実現しています。 
しかし、県立病院は赤字につながる不採算部門の医療(離島・へき地、救急、小児、周産期等)も提供する責任を負っているのです。 

 県立病院が独法化された場合、民営化に近づくため、公益性よりも利益を重視しなければならなくなり、現在行っている不採算医療は縮減せざるを得ません。 
そうなってしまうと地域医療・離島医療の提供体制が崩れてしまいます。 

 復帰当初こそ沖縄県の医療は全国に立ち遅れていました 
。島しょ県・沖縄の医療提供体制を確保する。県立病院に求められたその設立目的は今では全国的にも注目される安心の医療を実現するに至りました。 

 私たちの命と健康を守る医療を、財政が厳しいから県直営から切り離して独法化する。 
その結果は? 県民は安心して沖縄に暮らすことができるのでしょうか? 少子高齢化社会を迎え、「安心して暮らしていくための医療体制」とは? 県立病院の役割とは何か? 県民一人一人が沖縄の地域医療について考え、県政へ声を届けていただきたい。(看護師、那覇市、42歳)