滋賀県野洲市/新病院整備/可能性検討委が提言、工事費は57億円

2012.08.09

滋賀県野洲市/新病院整備/可能性検討委が提言、工事費は57億円 
2012.07.13 日刊建設工業新聞   


 滋賀県野洲市の新病院整備可能性検討委員会(委員長・柏木厚典滋賀医科大学病院長)は、11日に開いた第5回会合で提言をまとめ、山仲善彰市長に手渡した。 

新病院整備の判断材料として取りまとめたもので、新病院の機能については「回復期医療と在宅医療の後方支援機能を重視すべき」としたほか、199床のうち50床を医療型療養に充てることなどを盛り込んだ。市では今後、この提言を基に整備の実現に向けた検討を進めていく方針だ。 

 新病院整備の検討は、同市の市民病院的な役割を果たしてきた特定医療法人社団御上会野洲病院が11年4月、市に病院施設新築などの支援を要請したことを発端に進めてきたもので、昨年11月には「地域医療における中核的医療機関のあり方検討委員会」(委員長・馬場忠雄滋賀医科大学長)が市立を前提とした病院の必要性を提言。 
これを踏まえて、市では今年2月に今回の検討委員会を立ち上げた。 

 提言ではまず、新病院整備の実現に向けた条件として、 
▽地域の医療需要と病院機能の一致 
▽医療スタッフの確保 
▽経営の透明性・効率性が担保できる運営形態 
▽民間病院並みのコストによる調達 
▽野洲駅周辺での立地 
▽運営への交付税算入相当額と市一般財源から一定額の繰り入れ 
▽地域ぐるみで病院を育てる機運-を指摘。 

懸念される課題として、診療報酬の改定や交付税算入ルールの変更などを挙げた。 

 また、新病院の機能・役割については、市民の利便性が高い「回復期医療と在宅医療の後方支援機能を重視すべきだ」との考えを提示。 

さらに対応可能な5疾病4事業と、内視鏡・糖尿病治療などに特化した専門医療の提供体制を構築することで特色を出すとしたほか、診療科に関しては内科、小児科、外科、整形外科、産婦人科、泌尿器科、眼科、リハビリテーション科、人工透析、耳鼻咽喉科などを例示した。 

 施設面については、病床数を現在の野洲病院が持つ199床とし、一般99床、回復期・医療型療養各50床に配分。 
立地場所に関しては利便性の観点からJR野洲駅周辺の優位性を認めたほか、施設規模は敷地面積5500~7400平方メートル、建築面積4400平方メートルで、総延べ床面積1万4925平方メートル(1床当たり75平方メートル)、駐車場300台を想定。整備費用は用地費などを除き、約57億円と算出した。 

 運営面に関しては、考えられる形態として 

▽市の直接運営 
▽地方独立行政法人の一部・全部適用 
▽指定管理者制度- 

を提示するとともに、目指す病院像を実現する上で 

指定管理者制度には「適正な管理が困難な場合があり、注意が必要」、直接運営には「定期人事異動の問題から事務部門の専門性が高い職員が確保できない恐れがある」と指摘。 

「引き続き最適な運営形態の調査研究を期待する」とした。市役所で行われた会合には委員のほか、山仲市長らが出席。 

山仲市長は「病院像は確定したが、健全な運営や市民負担が過大にならないかといった問題がある。 

医師や看護師の確保、場所・財政面の問題もあるが、慎重に検討し、市民の期待に応えられる方向に位置付けていきたい。 
政策的な判断も必要であり、総合的な観点から最終的なめどを付けていきたい」と話した。