国立病院の給与削減に反発 民間への医師流出を懸念

2012.07.05

 

国立病院の給与削減に反発 民間への医師流出を懸念 
2012.07.01 共同通信   


 政府が国家公務員の給与削減に合わせ、国立大付属病院や国立病院にも給与引き下げを求めているのに対し、勤務医らが「民間より低い水準をさらに引き下げると、人材流出と医療崩壊を招く」と反発を強めている。 
  

政府は給与削減に向けた労使交渉を急ぐよう病院側に要請しているが、現場の医師は慢性的な人手不足や過重労働の中で、がん治療などの高度医療や地域の救急医療を担っていると訴えており、交渉は難航しそうだ。 
  

国家公務員の給与は、東日本大震災の復興費に充てるため、4月分から平均7・8%減らされている。 

政府は5月、削減対象を国立大や国立病院を含む独立行政法人の職員にも拡大すると表明し、独法の人件費にも使われる運営費交付金や補助金の支出を減額する方針を示した。 
  

全国45の国立大付属病院でつくる病院長会議などによると、国立大病院の医師の平均年収は、40代の助教で822万円(2008年度)。 

全国に約140ある国立病院の勤務医の平均年収は、厚生労働省調査で1468万円(10年度)だ。 
  
一方、民間病院の勤務医の平均年収は1550万円で、開業医は2755万円(10年度)。 

病院長会議は「これ以上格差が開けば、国立離れに拍車が掛かる」と危機感を募らせている。 
  

また地方自治体が運営する約900の公立病院の医師は地方公務員のため、政府は明確な給与削減を打ち出していないものの、「国をよく見て対応していただければありがたい」(安住淳財務相)と同調を求めている。 
  
地方公立病院の勤務医の平均年収は1540万円(10年度)。 
全国自治体病院協議会は「過疎地の病院や激務の職場では高い給与で医師をつなぎとめているのが実態。待遇が悪くなれば確保できる保証はない」と地方への拡大を懸念している。