東京の法人捜査へ 医療債を不正販売の疑い 読売新聞7月16日

2012.07.16

東京の法人捜査へ 医療債を不正販売の疑い 読売新聞7月16日 
  

東京都新宿区の医療法人社団「真匡(しんこう)会」が、「病院に出資すれば高い利息が付く。
元本も保証される」などと言って大阪や東京の高齢者らに医療機関債の購入を持ちかけ、多額の金を不正に集めた疑いが浮上し、大阪府警が、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いがあるとして集中捜査に乗り出す方針を固めたことがわかった。 
真匡会は昨年4月からの半年間に、約380人から10億円以上を集めたとみられるが、経営する診療所が今年5月に突然休業し、返済できなくなる恐れも出ている。 

 捜査関係者らによると、真匡会は昨年4月から、同区内に開設した診療所の改装費などの名目で医療機関債を発行。「1口50万円(最低2口以上)」「年利4・2%」などの条件で診療所の運営利益を償還に充てるとうたい、購入者を募った。勧誘や販売は、同区の「共同医療事務センター」という会社に委託し、同10月まで計15回発行した。 

 ところが当初から「国債と同じ。元本保証される」との虚偽説明や強引な勧誘への苦情が、全国の消費者センターなどに寄せられた。認知症の男性が、契約内容を理解しないまま購入したケースもあった。 

 消費者庁から改善を求められた真匡会は、昨年10月、ホームページで発行中止を表明。 
しかし、その後も勧誘は続き、同庁は今年1月、真匡会と共同医療事務センターの名前を公表し、勧誘に応じないよう呼び掛けた。5月末には診療所が休業。 
同庁によると、この時点で、会の口座に金はほとんど残っていなかったという。 

 真匡会の医療機関債を巡っては、「国が保証しているので安心」などと持ちかけられ、強引に買わされたなどとして大阪府内の70、80歳代の女性2人が会などに計約1800万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴している。 

 6月まで真匡会の理事長だった男性医師は、読売新聞の取材に「医療機関債の販売は病院経営とは別のところで法人に入り込んだグループが行っており、役所に注意されるまで知らなかった」と話している。 

医療機関債 医療法人の資金調達手段として2004年から発行が認められた。 
目的は病院新設や高額医療機器購入など資産取得に限られ、法人の地元銀行や住民が引受先となることが多い。引受先は利息込みで返済を受けるが、法人の経営状態次第で損失を被るリスクがある。 
発行ルールは厚生労働省が指針で示すが、法的強制力はなく、発行の届け出義務もない。 















http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/120120shiryo1.pdf 


http://shinkou-kai.com/shinkokai_owabi.pdf 



「透析機器足りない」医療機関債協力を 震災うたい強引勧誘 相談急増、昨年度320件 4割が首都圏 
2012.04.05 東京新聞  


 東日本大震災で不足した医療機器を増やすためなどとうたい、医療法人が金を借りる際に発行する医療機関債を市民に強引に売りつけるトラブルが急増している。 
全国の消費生活センターへの相談件数は二〇一〇年度までは年数件程度だったのが、一一年度は二月中旬までに三百二十件の相談が寄せられており、関係者が注意を呼び掛けている。 

 東京、神奈川、千葉、埼玉の南関東一都三県では九十七件の相談を確認。茨城、栃木、群馬の北関東三県では四十一件で、首都圏だけで相談件数は全体の四割を超えている。 

 国民生活センター(東京)によると、相談者のほとんどが六十歳以上の高齢者。 
「震災で透析できる病院が不足しており、機器を購入する資金確保のために債券を発行する」「国債と同じで元本割れせず、高い利息が付く」などと言われて強引に契約させられ、その後、不安になって解約を望む例が多い。相談者が支払ってしまった金額は平均二百五十万円で、最高額は二千九百万円だった。 

 断っているのにしつこく電話をかけてきたり、自宅まで押しかけて三時間も居座られたりするなど強引な勧誘例が目立つ。 

南関東の七十代女性は昨秋、電話勧誘を断った翌日、自宅を訪ねてきた男性に「人工透析を拡充させるため医療機関に協力してほしい」と契約を迫られ、男性と銀行に行き、百万円を払った。「利子が良いし、必要なときはいつでも現金をご自宅に持って行く」とさらに金を支払うよう迫られたため、解約を望んで相談の電話をしたという。 

 消費者庁は今年一月、不適切な勧誘をしたとして、医療機関債を発行、勧誘していた「医療法人社団真匡(しんこう)会」(東京都新宿区)と「共同医療事務センター」(同)の二業者を公表。 
これ以外にも同様の勧誘をしている業者があるとみられる。 

 国民生活センターは「業者は『リスクがなく、換金しやすい』と事実と違う説明をしており、問題のある勧誘をしている。安易に契約しないでほしい」と呼び掛けている。 

 (メモ) 

 医療機関債 医療法人が金を借り入れた際に発行する契約書。債券のように扱われるが、金融商品取引法で規定される有価証券には当たらず、国債や社債、未公開株などの金融商品とは異なる。 
医療法人の経営が悪化して破産した場合は、元本は保証されず、支払った全額を失う恐れがある。 
償還日前の換金も原則できない。貸し手となるのは一般的に、医療法人に関係が深い者や銀行が多く、無関係の個人が勧誘される例はほとんどない。 




「医療機関債」トラブル急増 破産で全額を失う場合も 
2011.10.27 中国新聞 


「医療機関債」トラブル急増 

破産で全額を失う場合も 

 病院への投資などをうたう「医療機関債」の販売をめぐるトラブルが急増している。「国債と同じように安全」などと事実と異なる説明をしたり、東日本大震災にかこつけて勧誘したりするケースが目立ち、国民生活センターは注意を呼び掛けている。 

 同センターによると、トラブルに巻き込まれるのは、60歳以上が全体の約7割。女性が4分の3で、高齢女性が狙われているのが特徴だ。地域別では8割が近畿や関東だが、今夏になって東海、中国、四国にも広がっている。相談者が支払ってしまった金額は平均約143万円で、最高は約1200万円だった。 

 栃木県の50代の女性は「国債と同じで元本割れしない。100万円分購入すれば、3カ月ごとに1万円振り込まれる」と説明を受けた。和歌山県の80代の男性は「震災で人工透析ができる病院が不足しており、透析のできる病院のためになる。貯金のようなものだ」と勧誘された。他に「厚生労働省のお墨付きで倒産することはない」と説明されたケースもあった。 

 医療機関債は、医療法人側が借り手、消費者側が貸し手になる金銭消費貸借契約で、医療機関が破産した場合、全額を失う危険がある。 

 同センターは「必要のない契約はきっぱりと断り、帰るように告げても居座るようであれば、警察に通報するなど毅然(きぜん)と対応してほしい」とアドバイスしている。