光が丘病院問題 "最初から同等は無理"の区長発言の波紋 区議会委員「真意確認を」

2012.06.11

 

 





光が丘病院問題 “最初から同等は無理”の区長発言の波紋 区議会委員「真意確認を」 
2012.6.9 産経ニュース 
  
4月に運営法人が日大から地域医療振興協会に交代した練馬光が丘病院(東京都)について、練馬区の志村豊志郎区長が今月3日に開かれた記者懇談で、「最初から(同等にするのは)無理な話」とした発言が練馬区議会で波紋を呼んでいる。 
8日の区議会医療特別委員会では、区長の与野党双方から、発言が事実なら重大だとして、区長自身に真意を問う意見が相次いだ。 

 志村区長と記者の懇談会は3日に開かれた。光が丘病院について、区長が「最初から(同等は)無理な話」「100%埋めるなんて言えない」「区政が混乱するので、(同等と)言わざるを得なかった」と述べた。 

 これについて8日の区議会では、各会派から「報道が事実なら重大」などとして真意を問う声が続出。志村区長の委員会への出席要請や、懇談会の記録提出を求め意見が相次いだ。 

 委員会では土屋俊測委員(オンブズマン)が「区は当初から同等の医療を提供すると説明し、委員会はそれを前提に審議してきた。 
後から区長が『リップサービスだった』と述べるのは許し難い」と区に釈明を求めた。 

 区の地域医療課長は「新聞に書かれている中身は実態と違う。区長は、半年間に病院を選ばなければ(光が丘から病院が)なくなってしまうから、不用意な話はしない、混乱を招く話はしない、そういう意味だったろうと思う」と答えた。 

  
池尻成二委員(市民の声)は「課長は区長の気持ちを代弁しているし、われわれは記事しか知らない。発言が事実なら重大。 
議会は、選定の経過と公募要項(の公約を)全うするものとして決議もしている。区長自ら議会に真意を説明してほしい」と、志村区長の委員会招聘(しょうへい)を求めた。 

 山田哲丸委員(公明)も「報道だけでは前後の文脈が分からない。確かに重要な問題なので、区長に来てもらって聴くのか、日程が難しければ資料提出などで正確な情報をほしい」。 
土屋均委員(民主)は「記事をそのまま受け止めれば、これまでの審議など全ての根幹を揺るがしかねない重大な問題だ。区長自身の言葉による説明を強く望む」と述べた。 

 一方、村上悦栄委員(自民)は「新聞記事だけみて判断すべきではない。そもそも記者そのものが今までどんなだったか」と述べ、医師を確保できていない現状を年明けから報じてきた新聞報道に不快感を示した。 

 福沢剛委員(同)も、区長発言について「新聞報道が事実なら、われわれも遺憾だが」と前置いた上で、「記事をうのみにしてはいけない」と、志村区長の委員会招致に慎重な対応を求めた。 

 戸谷英津子委員(共産)は「区長の発言は重い。課長が代理で『区長はこう思っていると思う』と答弁するのはいかがなものか。区民も議会も混乱しているので、(説明を)検討してほしい」と要請した。 



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【3日の区長懇談会での志村区長らの発言(要旨)】 

 記者 新病院への移行期間の情報提供についてうかがいたい。住民にとって新しい病院がどういう姿になるかなかなか見えない思いがあったが、区は情報提供はどうみるか。 

 志村区長 情報提供の見方は分かれるだろう。 
私どもは、日大は平成3年から21年間やってきた成果を見れば技術、医療の内容、高く評価していいと思う。 

 ただ日大だって20年の時間をかけて大きく成長してきた。 
だから、新しい病院、後継がすぐにそれと同じ規模、イコールでいけるはずが本来ない。 

 「約束したじゃないか」とよく言われる。新しい病院は日大に遜色ないものを設けますと、最初っから無理な話。 
日大と同等の医療はできるはずがないけれども、なんて言ったらば、これはどうしようもないこと。 

 後継の病院として、区民に対しても一生懸命やるからということで、ひけをとらないようにしますと言わざるを得ない。 
それでないと、お医者さんも集まらない。先行きどうなるか分からないような病院には就きたくはないというのが人情だ。 
希望は大きく、「日大に匹敵できるような病院にしたい」。 
こういうふうに思うのが当然だろうし、それを求めてわれわれも後継を選んできた。そんなところでご理解をいただきたい。 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・琴尾副区長(略) 

 記者 確認ですが、新しい病院は、当初から日大と同じレベルでいくのは難しいだろうと、区長としては思っていたということですね。 

 区長 まあねえ。 
それもまたそうなんだと。 
努力義務というものがあるでしょう、行政には。 
だれにでも努力義務はあるんですよ。努力して全うできれば一番いい。 
だけどほとんど難しいかな。さっき副区長が申し上げたように、私だって日大の医者は少しでも残ってくれると思っていたし、そういう情報は持っていた。 
だが、日大は頑なに全部引き上げだと、総引き上げだと。 

 私は1月の会見で日大は区民、病人を捨てていくのかという言い方をしました。 
医者に聞いてくださいとつけた。 
でも報道されなかった。 
聞いてくれれば、医者も本当は残って手伝うと聞かされたはず。 
でも一つも受けてもらえなかった、記者さんたちにね。 
私どもは日大の医者に直に聞くのは立場上難しい。 
医者・看護師に記者さんから聞いてくださいという意味だった。聞いてくださいが省略されちゃって、私が、日大は不人情だと、診療をお願いしている区民を裏切るととられちゃったんで、非常にがっかりした。 

 (その後、地域医療振興協会への評価や保証金50億円の扱いについてなどの質疑が続いた) 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・記者 区長にうかがう。 
話が戻って申し訳ない。 
新しい病院を維持するとき、日大と同等規模というのは努力義務という認識だったということだが、これを区民に発表せず、あくまで同等の規模ということを一貫して述べてこられた。 
混乱をきたすからという考えは分かるが、一方、本当のことを知りたいという思いも区民にあったと思う。説明会の席上でどうなっているのという意見がかなりあったのも、一つの根拠としてあったと思う。 
耳に届いていたと思うが、どうご覧になっていたか。 

 区長 私が思うのは、同等にするということ自体が素人だと、さっき申し上げた。 
医療のあり方、中身、これについてだれが判断するんですかということ。 
同等というのはおおよその同等ですよ。 
厳密にきっちりと数学の方程式みたいにちゃんと言えって言ったって、言えない中身だ。ぼくはそう思う。 

 もう一つ、いちばん大変なことは、大卒・高卒の就職試験と、今度の病院の跡継ぎを決めるのは、全然違う。 
医者は、空白のままたくさん大挙している、待っている状態ではない。 
それぞれどこかに勤務して、全国に散らばっている。これを拾い集めてくるのは大変。 
これをよく協会は引き受けてくれたなと思う。 
協会とて神様じゃないから、そんな多くの職員を集めることは不可能だったんじゃないかな、最初から。だけどやってみなければ分からないというところはあります。 
やってみた結果、最終的には、日大の現況と今度の協会が集めてきたあれ(人数)には差異が出てきた。 
これは致し方ないことじゃないか。 



例えば子供を地元の小学校中学校に入れている関西の医者が、単身で来るのか一家そろって引っ越すのか。一人ひとりがそういう境遇におかれているとしたら、これを集めるのは大変酷なこと。だが協会は可能な限りやりますと言ってくれた。 

 頭数がすべてではなく、引き継いだ後の患者の受け入れがどうなるんだということ。 
残念ながら産科はいま受け入れができないという状況がある。 
でも、産科は区内でも産院がたくさんありそこにお願いすると。 
産科は病院だけ独自にというよりも、地域医療という考え方で、地域の個人の医者と連携することが大事。頭数が少し足りないかも知れない。けれどもそれを守って否とするわけにはいかないと思う。その辺は理解していただきたい。 

 記者 今の質問に関連するが、もし最初から「日大と同等はなかなか難しいと思うが」と言った場合、区長としてどんなことを危惧された、ということなのか。

 区長 最初から「後継は日大には及びませんよ」「とても医者も集められないよ。 
だけども」と、その「だけども」は使えないですよね、区民に向かって。だから「最大の努力をする」ということで、ご理解いただくほかないですよ。 

 記者 もし言った場合には、区民に伝わらならない…、どうして言えないと判断されたのか。 




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・区長 最初から、そんな100%埋めることはできません、そういうことは言えませんよ。 

 記者 なぜそれを言えないか、ということなんですけど。 

 区長 だって混乱しちゃうじゃないか。 
信用されなくなっちゃうでしょ、新しい病院が。そういう心の機微はご理解いただけるんじゃないか。 

 記者 今回、言っていることと現実が違うから信用されてなくて、運動が大きくなっていったという印象を持っているんですけれど。 

 区長 そういうことはないですね。 

 琴尾副区長 そもそも公募のときに、区として4事業、重点医療、今まで日大がやってきたことはちゃんとそろえてください、そのためにスタッフも揃えてくださいということで募集をした。提案書の中で、98人の医師を揃えますと、振興協会からでてきた。 
私どもとしてはそれちゃんとやってくださいと要請はしてきた。 

 ただ先ほど申し上げたように、協会としては日大の医者が残ってくれることを期待して織り込んでいた。それが日大さんのご事情でできなくて、こんな事態になってしまった。そういう意味では、結果として約束した通りにならなかった。 
それは協会としても区としても、区民の皆さんには申し訳ないと思っています。 


区長 最初から、そんな100%埋めることはできません、そういうことは言えませんよ。 

 記者 なぜそれを言えないか、ということなんですけど。 

 区長 だって混乱しちゃうじゃないか。信用されなくなっちゃうでしょ、新しい病院が。そういう心の機微はご理解いただけるんじゃないか。 

 記者 今回、言っていることと現実が違うから信用されてなくて、運動が大きくなっていったという印象を持っているんですけれど。 

 区長 そういうことはないですね。 

 琴尾副区長 そもそも公募のときに、区として4事業、重点医療、今まで日大がやってきたことはちゃんとそろえてください、そのためにスタッフも揃えてくださいということで募集をした。提案書の中で、98人の医師を揃えますと、振興協会からでてきた。私どもとしてはそれちゃんとやってくださいと要請はしてきた。 

 ただ先ほど申し上げたように、協会としては日大の医者が残ってくれることを期待して織り込んでいた。それが日大さんのご事情でできなくて、こんな事態になってしまった。そういう意味では、結果として約束した通りにならな 
かった。それは協会としても区としても、区民の皆さんには申し訳ないと思っています。