常勤医、ほぼ半減 65人 新光が丘病院、開院

2012.04.03

常勤医、ほぼ半減 65人 新光が丘病院、開院 
2012.04.02 産経新聞  


 日大練馬光が丘病院(練馬区)の撤退を受け、地域医療振興協会が1日、病院を引き継ぎ、開院した。 

 同病院は同日、報道陣の取材を受け、詳細を明らかにした。 
それによると、医師数は常勤医65人、非常勤医53人(常勤換算12人)で、日大の常勤医122人を下回った。看護師は助産師、准看護師を含め165人で、区が1月の区議会委員会で説明した200人を下回った。 

 病床は342が許可されたが、当初入院できるのは小児科、内科・外科混合の計125床。 
都の2次救急医療機関の指定を受け、内科、外科、小児科は24時間対応をする。 
休日夜間の救急態勢はER(救命救急)当直2人、内科、外科、小児科は当直各1人。 

 昨年末の住民説明会で、1日から開始と説明した心筋梗塞患者らを収容するCCU(冠疾患集中治療室)と妊娠後期の妊婦を診療所から受け入れる周産期セミオープンシステムは見送った。 

CCUについては「医療機器を確認して都に申請する」。 
周産期-は「要請があれば応じるが夜間の出産は難しい」と述べ、秋には開始したいとしている。 

 1日午前0時に引き継いだ入院患者は4人で、日大からカルテを引き継いだのもこの4人。 
午後4時までに患者19人(うち救急搬送3人)を受け入れた。2日から外来を受け付ける。 

 同病院は1年以内の100人医師態勢を確立し、3年以内に赤字を解消したいとしている。 
新病院管理者の藤来靖士医師は「日大病院の質と量を引き継ぐのが難しかった」とする一方、1日からの診療の明細が周知されず開院したことについて「情報提供が不十分で反省している」と述べた。 


(首都圏発)区、見通し甘く 日大練馬光が丘病院後継問題 /首都圏 
2012.04.01 朝日新聞 


 日本大学医学部付属練馬光が丘病院(東京都練馬区)=キーワード=が3月末で撤退して4月1日から新病院に引き継がれ、常勤医の減少などを心配する声が出ている。首都圏の一角で、小児救急医療の態勢をどう守るのか。隣接する埼玉県側でも不安視する声がある。 


 日大の後継に公益社団法人・地域医療振興協会を選んだ際、練馬区は「日大と同等の医療水準・規模を確保できる」と説明した。 

 しかし、総入れ替えとなる医師などスタッフの確保は難航。開設に向け東京都が求めていた「事前相談計画書」の提出は3月13日になり、区が見込んでいたより3カ月以上ずれ込んだ。 

 医師同士の引き継ぎが進まず、志村豊志郎区長が1月末の記者会見で「患者を捨てていく発想がわからない」と矛先を日大に向ける場面さえあった。3月14日の区議会特別委員会で、区健康福祉事業本部の室地隆彦本部長は「(当初の見込みを)部分的に修正せざるをえなかった」と見通しの甘さを認めた。 

 区によると新病院は、小児救急を含め、救急患者は24時間態勢で受け入れるという。協会は朝日新聞の取材に「医師の態勢は開院後も拡充を図る」としている。(中川文如) 


 ●埼玉県側、小児救急を懸念 

 埼玉県側でも不安の声がある。同病院は朝霞、新座、和光、志木の4市で構成する「朝霞地区2次救急医療圏」からの救急患者も多いからだ。 

 2年前、1歳だった長男が深夜に高熱でけいれんを起こし、救急車で同病院に運ばれた経験がある和光市の斉藤麻美子さん(34)は「光が丘は最後のとりでのような存在。今後、どうなるのか」と気が気でない。 

 同医療圏では5病院の輪番で夜間の小児2次救急を担っていたが、07年から昨年にかけて、三つの民間病院が小児科医不足を理由に相次いで参加をやめた。 

 唯一、夜間の小児救急を毎日受け入れる志木市の市民病院も、市が1月に小児科の入院や救急診療を4月以降休止すると発表。その後、撤回されたが、病院事業の経営難があり、10月以降の態勢は不透明だ。 

 光が丘病院の動向を受け、和光市にある国立病院機構埼玉病院は3月19日から、週3日だった平日夜間の救急受け入れを5日に増やした。新座市の須田健司市長は4市を代表して、さいたま市などの医療機関に救急受け入れへの協力を求めている。 

 また、市民団体「日大光が丘病院の存続を求める区民の会」の神津真久代表(66)は「光が丘病院の医師数がこれまでを下回ることも心配だが、光が丘へ医師を集めることで、協会が運営する他の医療機関に支障をきたさないかも気がかりだ」と話す。 

 (加藤真太郎、武井宏之) 


 ◇自治体と医療機関、良好な関係構築を 

 <地域医療に詳しい城西大学の伊関友伸教授(行政学)の話> 今回の病院継承は、地域の救急医療が微妙なバランスの上に成り立っていることを改めて示した。自治体に医療機関を支える財政的余裕がなくなる一方、住民の高齢化で医療の需要が増し、首都圏のどこで救急医療の崩壊が起きてもおかしくない。周辺の医療機関に負担が連鎖し、悪影響が広がる可能性もある。自治体と医療機関がコミュニケーションを図り、良好な関係を築くことがこれまで以上に重要だ。 


 ◆キーワード 

 <日大練馬光が丘病院の撤退> 同病院は2次救急医療機関に指定。2010年度は休日や平日夜間に8310人の子どもを受け入れた。昨年7月、日大が不採算部門の赤字を理由に撤退を表明。練馬区によると新病院は342床を維持するが、常勤医師は65人、小児科は9人で、従来の122人、19人を下回る。一部の診療科で常勤医を確保できなかった。