病院交代 地域の医療は守れるのか

2012.04.11

 

病院交代 地域の医療は守れるのか 
2012.04.09 NHK総合 ゆうどきネットワーク/ニュース/報道特集  


東京・練馬区の光が丘団地の病院を運営してきた日本大学が90億円の累積赤字を理由に3月いっぱいでの撤退を発表した。 

今月1日の午前0時を回ってから別の医療法人「地域医療振興協会」が引き継いだが、準備期間もないまま走りだした。 

病院が引き継がれる4月1日午前0時に、新たに病院を運営する医療法人が荷物の搬入を開始した。 

ほとんどのスタッフがこの日初めて病院に入った。 

事務 部長の福崎龍郎さんは「待ちに待った日だ」と話す。 

検査技師などは機械の使い方をマスターしなければならず、医薬品倉庫は空っぽのため、一刻も早く薬を棚に並べなければならない。 

そんな中救急患者が来た。また、その後救急車も到着した。 
医療事務の人件費削減のため、電子カルテを導入したが、翌日の朝には稼働しなければならない。 

病院管理者の藤来靖士さんは維持システムが動き出す時間を確認するも、1時間も遅れているという。 

入院病棟でも受け入れ準備が行われる。 

病棟看護師長の野村恭子さんは、過去に病院の立ち上げに携わった経験が買われた。 

大学病院が病棟に残していったベッドや医療機器を使うことになったが、電動ベッドは半分以上が故障していることがわかった。 

4月2日になり、外来患者が続々とやってきた。 

電子カルテシステムは9時間前に組み上がりなんとか患者を迎えられた。 

また、この日の夜も救急車が到着し、70人の救急患者を受け入れた。 

病院管理者の藤来靖士さんは、「今後は住民に情報を出していこうと思う」と話す。 

引き継ぎがこのように慌ただしいのは稀だという。 

病院の医師がまだ決まっておらず引き継ぎがなかなかできなかった。 

カルテは日大医学部が保管しているため、新しい医療法人にカルテを引き継ぐことができなくなった。 

引き継ぎが行われたのは入院中の4人の患者の分だけだった。 

脊髄性筋萎縮症という難病と戦ってきた男の子も新病院の医師にはかからず、主治医が移った別の病院に車で30分かけて連れて行くことになった。 

母親は「同じ系列の日大板橋病院で主治医の先生は変わらないが、新しい病院でどこまで診てもらえるのかわからないない」と話す。 

これまでの大学病院はITB治療などの療を行なってきたが、その患者も引き継がれなかった。 

新病院に対応可能な医師が来るかどうか明らかにされなかったため、大学病院は近くのクリニックに患者の定期的な診察を委ねた。 

クリニック院長の辻正純さんは「医療の継続性が一部でも保たれたということは患者の不安を和らげることになったのでは」と話す。 

引き継がれた医師が少なかったため、近隣の医療機関にしわ寄せが行っている。 
城西大学経営学部教授の伊関友伸さんは「練馬区、大学病院、新しい病院のコミュニケーションの断絶が原因。 
練馬区は不勉強だし、準備等が不十分だった。 
これからは新しく病院を確立することが大切だ」と話す。 

【番組放送時間】 
2012/04/09 17:05 ~ 2012/04/09 18:00 

【コーナー】 (特集) 
放送時間: 2012/04/09 17:10:28 ~ 2012/04/09 17:28:40 
出演者: 山本哲也,出田奈々,佐伯桃子,辻正純,藤来靖士,福崎龍郎,伊関友伸