日本海総合病院:定着する「院内助産」 導入1年「気軽に相談できて安心

2012.04.11

 

日本海総合病院:定着する「院内助産」 導入1年「気軽に相談できて安心??酒田 /山形 
毎日新聞 2012年04月10日  
  
◇妊婦の心身に寄り添い好評 
  
産婦人科医の代わりに助産師がお産に立ち会う「院内助産」が、県内で初めて酒田市あきほ町の日本海総合病院で導入されて1年。 

産科医不足や産科医の負担軽減だけでなく、妊婦の心身に寄り添ったお産ができるとして定着しつつある。利用者からは「気軽に何でも相談でき、安心して産めた」という声が寄せられるなど好評だ。【長南里香】 

 日本海総合病院3階東病棟の産婦人科フロア。 
3月16日に3452グラムの男児を出産した仙台市泉区の主婦、北尾美咲さん(30)は「出産経験がある同性の助産師さんに支えてもらい、安心して産めた」と満足そうに振り返った。 


3年前に仙台市で産んだ第1子の女児(3)を連れた里帰り出産。 

妊娠34週から同病院の産科外来で医師による検診を受け、帝王切開の必要性や血圧異常などがない正常妊娠で経過していたため院内助産を希望した。 
医師の許可を受けて院内助産システムに移行し、36週目以降は助産師による健診を経て、助産師の立ち会いで出産した。 

 北尾さんは「健診は待ち時間がない完全予約制で約40分間もあるので何でも相談できた。 
子連れでできるのもありがたく、娘が出産まで立ち会えたので姉になる過程を自然に受け入れられたと思う」と利点を挙げた。 

 同病院で昨年3月に県内初となる院内助産を導入してから、産声を上げた新生児はこれまで12人。 
1カ月に1人のペースで、年間約500人前後を扱う出産のうちではごくわずかだ。 


助産師の勤務態勢や医療行為ができない権限の制約上、分娩(ぶんべん)を夜間ではなく午前8時半から午後5時15分までの日中に限定していることや、分娩時に切開が必要になり急きょ医師が手当てしなければならなくなったケースなどがあるためで、本来の院内助産の希望者は医師の手当てがなく退院できた11人の約3倍あるという。 

 菅原千香子看護師長は「(医師による)医療介入をできるだけ少なくしたいという人や家族の立ち会い出産を望む人など、自分らしいお産をしたいという母親のニーズが多様化している」と述べる。 

その上で「助産師が出産前後の心身をトータルでアドバイスして見守ることは、退院後の育児がスムーズに進むことにもつながる」とし、単なる産科医の代替案にとどまらず、母親の心身に寄り添った精神的サポートができる院内助産のメリットを強調する。 


産科医不足や出産施設の減少などを背景に、国が08年から開設を促す事業に着手し、昨年4月現在で全国約70の病院が導入している。 

医師の代わりに助産師が全妊娠期間の一部の健診から出産、産後までを一貫してケアする。

病院ごとに基準があり、日本海総合病院では出産を介助した経験が50件以上あるなどの基準を満たした22人の助産師が産科医と連携しながら院内助産システムを支えている。