公立黒川病院、7月末で産科休止/「安心なお産」できる環境を/医療施設間

2012.04.14

 

公立黒川病院、7月末で産科休止/「安心なお産」できる環境を/医療施設間 
2012.04.13 河北新報記事情報 写有 (全1,102字)  


公立黒川病院、7月末で産科休止/「安心なお産」できる環境を/医療施設間の連携必要 

検診は地域で、出産は基幹病院で/妊婦「相談できる場あれば」 

 公立黒川病院(大和町)が、産婦人科のうち産科の取り扱いを7月末で休止する。相次ぐ企業の進出や人口増が続く黒川郡4町村(大和、大郷、富谷、大衡)の中核医療施設で出産ができない事態となる。同病院や4町村は常勤医を確保して産科の再開を目指すが、産科医不足は全国的に深刻で容易ではない。産科医が地域にいなくても、安心して産める環境づくりが求められている。(泉支局・片桐大介) 

 大和町吉岡の主婦千葉里美さん(28)は、7月に第2子を大崎市古川の産院で出産する。車で約30分かけて通っており、「つわりがひどいと運転できない。いざという時に近くに産科がないと不安」と話す。 

 郡内には黒川病院を除き、2医療機関が出産を扱う。車なら、郡内から30分あれば大崎市古川のほか仙台市泉区、利府町の産科医院に通える。だが、大和町保健福祉課は「地域の大病院から産科がなくなるのは心細い。不安心理が広がりかねない」と案じる。 

 黒川病院は4町村で構成する黒川地域行政事務組合が設置し、公益社団法人地域医療振興協会(東京)が運営する「公設民営」の病院。ことし1月、1人しかいない産婦人科常勤医の「体力の限界」を理由に産科の休止を決めた。 

 「常勤医が2人いれば再開できる」(黒川病院)としても、産科医不足のため運営法人が新たな医師を派遣する予定はない。黒川病院には麻酔科や小児科の常勤医がおらず、「出産時の不測の事態に対応が難しい。リスクを冒してでも来てくれるとは思えない」(行政組合関係者)。 

 東北大産婦人科は「医師の派遣は難しい」とし、「産科セミオープンシステム」での対応を提案する。仙台市内などで運用されている仕組みで、通常の妊婦検診を地域の医療機関で行い、妊娠末期の検診や出産は人員や設備の整う基幹病院で行う。妊婦に関する情報を共有することでリスクを減らし、危険なら直ちに基幹病院で対応する。 

 黒川病院で妊婦検診を再開すればシステムの適用は可能になる。東北大産婦人科の菅原準一教授は「医療施設間の役割が明確化され、互いの負担が減る。妊婦の安全や利便性も高まる」と語る。 

 大和町保健福祉総合センター「ひだまりの丘」で6日、マタニティーレッスンが行われ、助産師らが妊婦に湯あみの仕方などを教えていた。 

 参加した主婦脇田愛美さん(28)は「産科医が地域にいなくても、助産師や保健師に気軽に相談できる場所があればいい」と話した。