12年度診療報酬改定 後発品の使用促進策

2012.03.05

 

12年度診療報酬改定――後発品の使用促進策に向けてテコ入れ 外来診療の機能分化も推進 
2012.03.05 The Doctor  

 12年度診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会での審議が終了し、個別改定項目の全容が出揃った。後発医薬品の使用促進に向けてさまざまなテコ入れを行ったほか、外来診療の機能分化を進めるための各施策を打ち出した。ここでは主な改定項目の概要を紹介する。 

■GE調剤加算 
 「35%以上」で「19点」 
 数量ベースでの調剤割合に応じて調剤基本料に加算する「後発医薬品調剤体制加算」(GE調剤加算)の要件を、「22%以上」で5点、「30%以上」15点、「35%以上」19点に変更する。 
 「GE調剤加算」を巡っては10年度改定で、算定要件を処方せんベースから数量ベースに改め、使用割合が「20%以上」(6点)「25%以上」(13点)「30%以上」(17点)の場合に段階的に評価するよう変更。メリハリを付ける観点から、「25%以上」と「30%以上」の区分を重点的に評価した経緯がある。 
 ただ、後発品の調剤率自体は増加傾向にあるが、算定できていない店舗も多く、薬局での対応に二極化の傾向が見られている。そこで「20%以上」を算定できていない薬局への配慮も残しつつ、政府目標である30%を見据えた点数設計とした。 

■GE使用加算 
 「30%以上」35点、「20%以上」28点 
 医療機関での後発品使用に関する加算「後発医薬品使用体制加算」(GE使用加算)の要件を見直す。現行では、後発品の採用品目数の割合が、全採用医薬品の20%以上である医療機関に対し、入院初日に30点を加算しているが、次期改定では「30%以上」という上位区分を新設。点数も「20%以上」28点、「30%以上」35点に改める。 

■一般名処方加算(2点)を新設 
 一般名処方の推進に向けた加算「一般名処方加算」も新たに設ける。後発品のある医薬品について、一般名による記載を含む処方が行われた場合、処方せん交付1回につき2点を処方せん料に上乗せする。 
一般名処方を推進し、薬局における後発品の在庫負担の軽減を図るのが狙い。レセコンのシステム改修に係るコスト増など医師の負担にも配慮した。 
 処方せん様式も「後発品への変更不可欄」を廃止し、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更する。 
なお、「一般名処方加算」に関しては改定の実施後、一般名処方の普及状況や加算の算定状況などを調査・検証する予定。 

■病棟薬剤業務実施加算 
 週1回で「100点」 
 薬剤師の病棟での業務を評価する「病棟薬剤業務実施加算」を新たに設ける。 
病棟ごとに専任の薬剤師を配置し、一定の病棟薬剤業務を行った場合に、週1回につき100点算定できる仕組み。加算は入院基本料に上乗せされる。 
原則として全ての病棟に入院中の患者を対象とし、薬剤師が規定された病棟薬剤業務を1病棟・1週間当たり20時間以上実施することが要件。 
入院基本料に係る加算のため、専任の薬剤師は病院における全ての病棟に配置しなければ算定できない見通し。ただ、療養病棟と精神病棟に関しては、長期入院の患者が多い一方、持参薬の管理など薬剤師の業務も少ないため、入院日から起草して4週間を限度とする制限を設けた。 
  
具体的な業務内容としては、 
▽投薬・注射状況の把握 
▽使用薬剤の安全性情報などの把握や医療従事者からの相談応需 
▽入院時の持参薬の確認と服薬計画の提案 
▽2種類以上の薬剤を併用した際の相互作用の確認 
▽ハイリスク薬など投与前の詳細な説明 
▽薬剤投与に際する流量・投与量の計算――など。加算の新設に伴い、薬剤管理指導料における「医薬品安全性情報等管理体制加算」は廃止する。 

■時間外対応加算は5点、3点、1点 
 外来診療の機能分化に向け、夜間・休日の診療に対応可能な診療所に加算を認める「地域医療貢献加算」について、名称を「時間外対応加算」に変更し、算定要件に応じて3段階に区分する評価体系に改める。 
  
具体的には、診療時間外での電話などによる問い合わせに対し、 
▽常時対応している 
▽準夜帯で対応するが、休日や深夜・早朝は留守番電話などでも対応 
▽地域の医療機関と輪番による連携を行い、当番日は準夜帯において対応し、深夜・早朝では留守番電話などでも対応――の3要件に分類。 
それぞれの要件に応じて5点、3点、1点を算定できる。 

■複数科受診 
 2科目の再診料は「34点」 
 同一日の複数科受診に関する再診料・外来診療料について、2科目も算定できるように見直す。 
点数はともに半数の34点。 
3科目以降は算定できない。1診療科と同一または関連する疾病の場合を対象外とするほか、乳幼児加算など他の加算を算定できないといった制限も設ける。 

■紹介状なし患者の負担を引き上げ 
  
勤務医の負担軽減を図るため、紹介状を持たずに大規模病院を受診した患者の自己負担額を引き上げる。 
具体的には、紹介状を持たずに特定機能病院などを受診した患者の初診料(270点)を200点に減額。 

また、大病院が診療所などへ紹介したにもかかわらず、自分の意志で大病院を受診した患者の外来診療料(70点)を52点に減額する。 
いずれも保険外併用療養費(選定療養)として差額分を患者の自己負担分とする。 
  
対象となるのは、紹介率が40%未満の特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院。 
ただし、逆紹介率が30%以上の場合は対象外。13年4月からスタートする。