医薬品業界が4月から接待費の自主規制に乗り出すことが決まり 富山市桜木町などの飲食店が売り上げの減少を懸念している。

2012.03.23

医薬品業界 接待費 減らします。 県内 来月から自主規制 “上客”遠のく? 夜の街ヒヤヒヤ 
2012.03.21 北日本新聞 


 医薬品業界が4月から接待費の自主規制に乗り出すことが決まり、富山市桜木町などの飲食店が売り上げの減少を懸念している。 

規制は、過当な競争を防ぐのが理由の一つで、医師など医療関係者1人当たりの接待費を1回につき2万円までに設定した。 

今後、夜の街に少なからず恩恵をもたらしていた“上客”の足が遠のく恐れもあり、料亭やクラブなどは動向を注視している。 (社会部・草東良平) 

 2008年秋のリーマン・ショックで製造業全体が落ち込み、今も回復途中にある中、医薬品業界は比較的堅調に業績を伸ばしている。 
県内は医薬品製造が産業の柱の一つ。 

公立病院の医療関係者は公務員のため接待が禁止されているが、民間の医療関係者を中心に接待によって飲食店を潤してきたとされる。 

 しかし、全国200社以上の製薬会社でつくる医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(東京)は、4月から接待の自主規制を決定。 

「上限2万円」ルールのほか、商談を伴う飲食は医療関係者1人当たり1回につき5千円まで、2次会やゴルフの費用を出すことも禁止となる。 

違反した場合は会社名が公表され、違約金などの処分も検討されているという。 
同協議会は「過剰な競争によって、結果的に消費者の不利益を招くことにつながる」と規制の理由を説明する。 

 県内の製薬会社は今回の規制について、おおむね理解を示している。 

あるメーカーは「経費を掛けずに大手と競争できる」と歓迎する声もある。 
別の営業担当者は「これからは日中の営業で関係を構築していかなければならない」と打ち明ける。 

 一方、飲食店側は規制の導入に弱り顔だ。 
バブル崩壊後、長引く不況で会社の接待費が削られ、中央官僚を自治体の役人がもてなす「官官接待」が禁止されるなど、夜の街を取り巻く環境は厳しさを増している。 

 富山市桜木町の飲食店によると、製薬会社は4月に先駆け既に自主規制を始めており、接待を減らしているという。 
「医薬品業界が店の一定の売り上げを支えてきたのは事実。最近はめっきり少なくなり、来月からはどうなるのか」と不安を募らす。 

 料亭「海老亭別館いきいき亭」主人の村健太郎さん(35)は「接待は悪いイメージがあるかもしれないが、他県の医師らを招いて富山をPRしたり、円滑な人間関係をつくる大切な手段でもある。 
規制ばかりでいいのか」と訴える。同店では規制の範囲内で、会合の昼食用弁当を開発するなど「選ばれる店を目指し努力したい」としている。