熊谷総合病院、周産期医療を休止へ

2012.02.07


熊谷総合病院、周産期医療を休止へ(埼玉新聞2月3日) 


 熊谷市中西4丁目の熊谷総合病院が、2012年度中に周産期医療を休止することが分かった。 

これにより、県北地域で周産期医療を担う医療機関は深谷市の深谷赤十字病院だけになる。
市内の医療関係者や市民らが中心となって、約2万2千人の署名を添え、2日、周産期医療の継続を求める嘆願書を同病院に提出した。 

 周産期医療は母子ともに障害が出やすい妊娠22週から新生児早期を担うもので、産科と小児科医で総合的な体制をとる。 
同病院では市内の開業医とも連携し、病気との合併症など中程度のリスクを抱える妊婦の出産を受け入れるなど、地域の周産期医療に貢献してきた。 

 県医療整備課によると、昨年7月に、同病院から周産期医療休止について話があり、継続するように要請してきた。 
しかし11月に、県や熊谷市へ「経営上の理由」で12年度に休止すると書面で通知があった。 
病院によると、既に昨年7月から新しい妊婦の受け入れを断っているという。 

 昨年12月、休止の話を聞いた市内の産科・小児科関係者や育児支援団体の女性らが「熊谷市の周産期医療を考える会」を立ち上げ、継続を求める署名活動を始めた。集められた署名は2万2226人。 
熊谷市を含む県北部の署名が3分の2を占める。 
周産期医療の問題を抱える県外の医療関係者からも寄せられた。 

 同会が病院に提出した嘆願書
http://bonding-cl.jp/shusankiiryo.pdf
では 

(1)リスクを抱えた妊婦の出産場所や新生児の入院施設が市内になくなる 
(2)個人の産婦人科にはソーシャルワーカーがおらず、生活に困窮している妊婦の相談・受け入れ施設がなくなる 
(3)市内で唯一の看護学校母性看護臨床実習施設でもあり、看護師養成に支障が出る-などとしている。 

 同会のメンバーで産婦人科医の鮫島浩二さんは「いったん休止したらスタッフが流出し、再開することは難しくなる。休止でなく、廃止だと思っている」。主婦の今美千子さんは「大変なお産の人もいるので、市内にあった方が安心。総合病院は“頼みの綱”」と話している。 


嘆願書 

熊谷市の安心・安全な周産期(産科・新生児)医療を 
守るためにご協力ください 
~熊谷総合病院の分娩室・新生児室が休止されようとしています~ 

妊娠22 週から新生児早期にわたる周産期は、母子ともに異常が発生しやすく、産科・小児科双方からの総合的な医療体制が必要です。 

埼玉県では入院が必要な妊婦さんの約14%が県外への搬送に頼っており、180 床必要とされる新生児集中治療室(NICU)のベッドも現状101 床と大幅な不足から、やはり県外への搬送で対応せざるを得ない状況 
です。 

埼玉県北部の周産期医療施設は深谷赤十字病院と熊谷総合病院の2 つしかありません。 
熊谷総合病院の分娩室・新生児室が休止されると、これまで熊谷総合病院が引き受けてきた産婦人科医院やクリニックでは取り扱えないような病気やリスクを抱えた妊婦さんと赤ちゃんは、市外あるいは県外など遠方へと搬送されることになり、妊婦さんやご家族の負担が増してしまいます。 
また熊谷市内で熊谷総合病院を頼りにしてきた産婦人科医院やクリニックにも不安が残ります。 
地域医療の中では産科・小児科が減少していく傾向にありますが、休止した診療科を復活させるには大きな苦労が伴い、休止が実質的な廃止につながる危険性があります。 
ですから休止せずに継続して欲しいのです。 

熊谷市としても、保健・医療・福祉のネットワークを整備するために中心的な役割を果たす医療機関の指定や財政援助も必要なのではないでしょうか。 
熊谷総合病院だけの責任で担うには重い内容かも知れませんが、暫定的には周産期医療の維持をお願いするしかありません。 
私たちは熊谷総合病院に、分娩室・新生児室を休止しないよう要請します。地域からの声が届くよう、熊谷総合病院への要請署名にご協力ください。 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/saiseikikin/dl/saitama-keikaku.pdf#search='熊谷総合病院 周産期中止'