志木市民病院「経営形態変更が不可避」 長隆委員長に聞く・・・東京新聞

2012.02.13

 

【埼玉】

志木市民病院「経営形態変更が不可避」 長隆委員長に聞く

2012年2月11日

「経営形態変更は待ったなし」と語る
長 隆 委員長
東京都新宿区で
 

 経営難に陥っている志木市立市民病院の改革委員長で、公立病院再生アドバイザーとして知られる長隆・東日本税理士法人代表社員(70)が十日、本紙のインタビューに応じ、経営形態を早急に独立行政法人(独法)などに変更する必要があると述べた。同病院に地域の小児入院・救急の担い手としての役割は引き続き残し、和光市の菅野病院への機能移転計画は見直すべきだとした。 (上田融)

 -今月八日の改革委の初会合で、市民病院を独法か公設民営型にするという答申の意向を示したが。

 「役人に病院経営はできない。市民病院は地方公営企業法上、施設管理者(院長)が予算も人事権も握る形になっているが、実態は市長の指示で動いている。役人は二、三年で異動し、責任を取らない。独法などになれば民間経営者が入り、赤字補てんを繰り返さない経営を期待できる。答申では経営形態の変更とともに、(変更前に)今の建物を市の基金などで建て替えることも盛り込む。その後は市と議会がどう決断するかだ」

 -市民病院は整形外科医が辞めてしまって収益が減り、経営が大幅に悪化した。こうしたことを防ぐには。

 「経営のガバナンスをしっかりさせ、医師にとって魅力ある経営システムになることだ。外来患者を集めすぎると、過酷労働になり医師は疲弊する。こうした病院には医師は来ない。地域の医師会の協力を得て、患者を分散させる仕組みが必要だ。軽い症状なのに救急車で病院に駆け込む『コンビニ受診』を制限することも大切だ」

 -答申では、小児入院・救急を市民病院で維持する方針も示す意向。ただ、地域の医師会などは菅野病院に機能を移転させる方向を決めている。

 「(国も地方も財政が苦しい中で)必要なのは選択と集中。患者、医者、設備を奪い合う重複投資は無駄だ。市民病院の経営形態が変わっても、国の交付税措置などを受け小児救急を支えることができる。菅野病院への移転を続行するなら、(国の交付税措置を受ける要件を満たさず)地域の独自財源で支えていただくことになるだろう」

 おさ・たかし 公認会計士、税理士。北海道夕張市や富山県氷見市などの公立病院の立て直しに手腕を発揮した。総務省地方公営企業経営アドバイザー、同省公立病院改革懇談会座長などを歴任。2009年から昨年11月まで、政府行政刷新会議の事業仕分けで「仕分け人」を務めた。