湧水=賀茂地域の医療-6市町の協力体制重要

2012.02.13

湧水=賀茂地域の医療-6市町の協力体制重要(小林哲郎/下田支局) 
2012.02.11 静岡新聞 

 東伊豆町にある静和病院が昨年12月、県から開設許可を取り消され、“廃院”となったため、賀茂医療圏域の基準病床数(978床)に対して145床の余裕が生まれた。 

圏域内の各医療機関への病床配分が注目されるが、まずは共立湊病院が新築移転する仮称・下田メディカルセンターの開院に備え、同病院組合を構成する6市町の協力体制が重要だ。

 賀茂地域の2次救急を担う公立基幹病院として期待される同センター(154床)の開院まで3カ月を切った。 

同センターは増床の公募はせず、現状維持の方針。200床に増やせば安定経営につながるとみられるが、今の人員では厳しい。 
昨年末に開かれた看護師・准看護師の就職説明会には14人しか集まらず、医療スタッフ確保が開院までの大きな課題となっている。 

 一方、河津町で5月にオープン予定の伊豆今井浜病院(60床)と、東伊豆町の伊豆東部総合病院(139床)は増床を希望するとみられる。 

 河津町議会は昨年の12月定例会で伊豆今井浜病院の増床を求める意見書を可決した。 
東伊豆町は伊豆東部総合病院の増床について、町として全面的に支援する姿勢。 
賀茂地域6市町の中核病院となる同センターよりも各町の医療機関を重要視している印象が強い。 

 同センターまでの距離や利用率の相違が6市町の温度差を生む原因となっている。 
町にある病院を重視するのも理解はできるが、同センターの在り方はここ数年の賀茂地域の課題だった。 
同センターを地域医療の核にしよう―という6市町の一体感が感じられない。 

 病床配分について話し合った昨年12月下旬の賀茂地域医療協議会でも各首長の意見はまとまりがなかった。 
委員の一人は「圏域で心を一つにしなければ子どもや孫に病院を残せない」と訴えた。 

 医療スタッフ確保に奔走する同センターの指定管理者を自治体もサポートし、安定した医療体制を整える必要がある。 

 (下田支局・小林哲郎)