和歌山県立医大:不透明資金 関連病院、医局幹部に商品券 盆暮れに数万円

2012.01.16

和歌山県立医大:不透明資金 関連病院、医局幹部に商品券 盆暮れに数万円 
2012.01.14 毎日新聞  


 和歌山県立医大(和歌山市)の腎臓内科・血液浄化センター(医局)前教授(64)が関連病院から不透明な現金を受け取るなどしていた問題に絡み、現在の医局幹部らにも、病院から1回数万円の商品券などが盆暮れに提供されていたことが分かった。 

国公立大でこうした付け届けの受け取りを自粛する動きが広がる中、同医局での恒常的な金品贈与の実態が浮かんだ。 

 和歌山県内の複数の病院幹部が毎日新聞の取材に、中元や歳暮として5万円程度の商品券などを医局幹部に贈っていると証言した。 
また、元医局員は「病院幹部から08年ごろ、教授らに5万円の商品券やたる詰めの高級梅酒を贈ったと聞いた」と明かした。 

 この医局の准教授は取材に、1回数万円の商品券を複数回受け取ったと認め「全部(の病院から)は来ない。そんなに多くない」と釈明。 
他の医局員についても「ボーナスみたいな形でもらっているかもしれない」と話した。 
現教授(56)は取材に応じていない。 

 関連病院から医学系の国公立大教授らへの付け届けを巡っては、弘前大で05年に商品券などの受領が明らかになった。 
岩手県でも02年度、県立23病院が岩手医大など8大学1病院に商品券や特産物など計912万円分を贈っていたことが発覚。いずれも受け取りをやめている。 


 医師でジャーナリストの富家孝さんは「こうした付け届けは極めて日本的な悪習。 
国公立大は公金を交付されており、付け届けを廃止すべきだ」と指摘している。【藤田剛、酒井祥宏、近藤希実】 


 ■視点 

 ◇医師派遣など仕組み改善を 

 和歌山県立医大を巡る一連の問題では、複数の関連病院が02~05年、前教授に盆暮れのあいさつの際に現金計290万円を渡していたことが判明。 
現教授に代わった06年以降も、医局秘書らの給与の肩代わりや1件数万円の商品券提供など不透明な関係が続いていたことが明らかになった。 
医大の調査委員会は他の医局も含め、こうした慣習の実態を徹底調査すべきだ。 

 同医大は06年度から独立行政法人になり、教授らは公務員ではなくなった。 
しかし、地域医療を担う中枢機関として県から年間約40億円の交付金を受けており、教授らには公務員と同等の倫理観や説明責任が求められる。 
 問題の背景には、医局を束ねる教授が強い権限を握り、医師派遣を通じて関連病院も支配する構図がある。 
医大には、関連病院との癒着を防ぐため、医師派遣などの仕組みを見直すことが望まれる。【藤田剛】