地方公営企業等の改革・・ 今後目指すべき地方税財政の方向と 平成24年度の地方税財政への対応についての意見

2012.01.11

 

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今後目指すべき地方税財政の方向と 平成24年度の地方税財政への対応についての意見 
            
           平成2 3 年1 2 月1 6 日 
               地方財政審議会 



7 地方公営企業等の改革 

(1)地方公営企業、地方公社及び第三セクターの改革 

地方公営企業、地方公社及び第三セクターは、地域において住民の暮らしを支える重要な役割を担っている。これらが、将来にわたり十分に役割を果たしていくためには、経営の健全化にも取り組んでいかなければならない。 

第三セクター等改革推進債の活用も視野に入れて、 
存廃を含めた抜本改革に集中的に取組み、一層の経営健全化、将来的な財政負担の明確化及びその計画的な削減に努めるべきである。 

病院事業については、「公立病院改革ガイドライン」を踏まえて策定された「改革プラン」に基づく公立病院改革を推進するとともに、医師不足が深刻化するなど厳しい経営環境の下で、地域医療を確保する観点から、引き続き所要の地方財政措置を講じるべきである。 


(2)地方公営企業の会計制度の改革 

新地方公営企業会計制度は、経営の透明性が向上することにより、住民や議会のチェックが働きやすいものであることから、円滑な導入に向けた支援を充実させるべきである。 
経営成績及び財政状況の明確化並びに弾力的な企業経営等を図るため、新地方公営企業会計制度による財務規定等の適用範囲の拡大についても検討すべきである。 

8 地方自治体における自主的な給与の決定 

地方公務員の給与は、地方公務員法に定める給与決定の諸原則や人事委員会勧告等を踏まえ、それぞれの地方自治体が議会で十分議論の上、条例で定めるものである。 
国家公務員の給与について人事院勧告には基づかない特例措置としての臨時的引下げが行われる場合でも、同様の引下げを地方自治体に対して要請したり、地方交付税の減額により強制したりするようなことがあってはならない。 
引き続き、各地方自治体が住民の理解と納得が得られるよう、情報公開を徹底しながら、適切に給与を決定していくべきである。 


おわりに 
~地域の絆としての自治の保障~ 

人を手助けする時、困った時はお互い様という。助ける側になるか、助けられる側になるかは、巡り合わせであって、いつ立場が入れ替わるかわからない。それでも、お互い様の気持ちが共有されていれば、人は 
安心して暮らせる。その延長線上に、自治がある。 

そこにも、費用が発生するが、お互い様の気持ちが働いていれば、無用の摩擦はなく、比較的費用が少なくて済む。 
人と人の絆が緩むほど、行政に頼る度合が高まるのである 
。高齢化が進むにつれ、それを支える費用が増えるのは仕方がないとして、数字にばかり目が行き、人が見えなくなっては困る。自治の力を強め、絆の固い地域社会をつくることが第一である。 

スイスでの研究者の調査結果によれば、人の幸福感は、金銭的なものよりも、直接政治に参加できる度合に左右されるという。 
直接民主主義の比重の高いスイスならではの結果ともいえるが、地域のことは地域で決められるという誇りが幸福感につながるという点は、日本にも共通するだろう。 

疲弊した地域では、誇りの空洞化すら指摘される昨今である。 
誇りある地域に再生させずにはおかないという決意があればこその地域主権改革であろう。言葉の遊戯にとどまらないとすれば、その名にふさわしい自治を保障しなければならない。

その意味では、税制抜本改革は、社会保障分野において消費税収(国・地方)を主要な財源として確保するのみにとどまらず、個人所得課税、法人課税、資産課税にわたる改革としなければならない。 

子どもに対する手当は、当面はともかく、現金給付は国、サービス給付は地方という基本原則に則って、再考されなければならない。 
地域自主戦略交付金は過渡的なものとして、税源移譲を含めた恒久的な策を練る必要がある。 
遠い道のりだが、地域の絆としての自治を確かなものにしていく努力を着実に積み重ねなければならない。 
危機が深刻であればあるほど、それを乗り切る方策も、より根本的なものが求められる。 

希望を与える未来図もなく、原則もあいまいな改革 
は最悪である。 
改革、改革と飽きるほど聞かされながら、依然として、閉塞感が漂っているのは、その点が不十分だからであろう。 
地域主権改革の基本に立ち返れば、おのずから原則は明らかになるはずである。せっかく掲げた旗をないがしろにしてはならない