医療再生の扉-掛川・袋井 統合新病院着工(下)

医療再生の扉-掛川・袋井 統合新病院着工(下)=地域連携-2次救急確実受け入れ) 
2011.08.04 朝日新聞 http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000020/20149/siryou6-2-2.pdf     

 掛川市などの1次救急を担う小笠医師会掛川医療センター急患診療室。同市中心部に程近い市徳育保健センター内に2009年4月、従来の施設を拡充して開設された。同医師会の当番医が平日夜間と休日の救急診療に当たっている。 

 在宅医輪番制からセンター制に転換した初年度は7795人、10年度は6337人が受診した。 
09年度の人数が多いのは、新型インフルエンザの流行が一因とされる。 
「センター化の後、市立病院の救急患者数が減少した。市立病院の負担軽減に寄与している」と掛川市保健予防課の山田光宏係長は説明する。 

 本体工事が始まった統合新病院は、一刻を争う2次救急を確実に受け入れることを使命としている。新病院が救急機能を十分に発揮するには、確かな1次救急体制が不可欠だ。 

 新病院は救急だけでなく、高度な専門的医療を磐田市立総合病院と機能分担し、中東遠全体の基幹病院となる。圏域の病院同士の連携、病院と診療所の役割分担を強化することこそ、地域医療再生の鍵を握るとされる。 

 「期待は大きいが、新病院は点にすぎない。地域医療再生には面として連携していくシステム確立が不可欠」と磐周医師会の徳永宏司会長(袋井市)。 
新病院をフルに機能させるために関係機関は周到な準備が必要と語る。 
新病院は「早く診て、早く帰す」。退院した後の受け皿となる回復期・療養期の病院の整備や、開業医を中心とした在宅医療の充実と両輪で進めることが肝心だと指摘する。 

 袋井市の1次救急は現在、医師会の当番制だ。センター化が適当という提言がなされているが、結論には至っていない。 

 市立病院統合をにらみ、保健、福祉、介護も一体化した地域システム再編の取り組みが両市で進んでいる。 
掛川市立総合病院の移転跡地には民間の「後方支援病院」の誘致が決まった。 
一方、市境を超えた事務すり合わせや市民への情報提供などはほとんど手つかずといっていい状況だ。 

 例えば、県の地域医療再生計画に10年度設置と明記された「地域医療再生支援センター」。 
司令塔としての機能が期待されるが、具体的な動きはまだ見られない。