練馬区病床確保対策に係る基礎調査等報告書

練馬区病床確保対策に係る基礎調査等報告書 
【概要版】・・抜粋・・・ 
             平成21年3月 

       練馬区病床確保対策庁内検討委員会 

 
2 日本大学医学部付属練馬光が丘病院の増築・増床等 

(1)日大光が丘病院の練馬区での位置づけ 

昭和52 年10 月、練馬区は「練馬区基本構想」を策定し、区民の健康を守るための方策の一つとして「高度で専門的な機能をもつ総合病院の誘致につとめる」こととした。 
この基本構想に基づく病院をグラントハイツ跡地の光が丘地区に誘致するため、区は昭和55 年10 月に「光が丘地区病院誘致方針」を定め、昭和57 年12 月に「光が丘地区医療施設誘致構想」を決定した。 

その後、誘致構想に基づき、昭和59 年10 月に練馬区医師会立病院の誘致を決定し、昭和61 年11 月に練馬区医師会立光が丘総合病院が173 床で開院した。 

しかし、平成2 年9 月練馬区医師会が経営悪化により病院経営断念を表明し、区は新経営主体として学校法人日本大学を選定し、平成3 年4 月1 日から「練馬区医師会立光が丘総合病院」を引き継いで「日本大学医学部付属練馬光が丘病院」が開院した。 

開院に当たっては、区と日本大学は「日本大学医学部付属練馬光が丘病院の設置に関する基本協定書」を締結している。 
協定では、以下の性格・機能を持つこととされている。 

(1) 公的な目的と機能をもって運営される病院であること。 
(2) 高度で専門的な機能をもつ総合病院であること。 
(3) 地域医療の中核的機能をもつ病院であること。 
(4) 区の地域保健医療活動に協力する病院であること。 
(5) 大学の救命救急センターとの関連において救命救急医療の機能をもつものとする。 


(2)日大光が丘病院の現状と課題 
一般病床344 床を有し、臨床研修病院、災害拠点病院の機能を担っている。外来患者数は一日平均850 人程度と病床数の2.5 倍以上であり、救急患者のうち50%が小児となっている。 

国民健康保険加入患者動向調査によると、入院外来ともに区民の受診数が二番目に多くなっている。 
がん医療では、手術療法、化学療法を実施している。脳卒中医療では、脳卒中急性期医療機能を担い、t-PA 治療による早期治療を実施している。 
急性心筋梗塞医療では、循環器科、心臓血管・呼吸器外科、CCU を有しており、区内唯一の東京都CCU ネットワーク加盟施設として対応している。 

区民アンケート調査では、「高度・専門的な医療」「救急医療の充実」を望む意見が多い。
今後も、現在の医療機能を維持するとともに、特に心臓循環器、小児救急医療のさらなる実が求められる。 

また、平成19 年の病床利用率は79.9%、平均在院日数は13.0 日であり、若干の患者増を見込むことは可能と考えられる。 
施設面では、建設当初には医師会立病院として一次および二次医療を中心とした医療サービスを前提とした施設内容であったため、大学病院の運営による二次以上の高度医療機能に対応する病院としての施設機能、面積の不足が顕在化してきている。 

また、建物の経年劣化 
も進んでおり、増改修が求められる状況となっている。これまで、平成11 年に南館の増築を行い、平成17 年に手術室の増設も行ってきたが、敷地等の制約などからさらに増築することは困難である。 

(3)日大光が丘病院の増築・増床の可能性 
増築・増床をするには、光が丘地域における区立学校再編後の学校跡施設を活用すること 
も想定され、下記の方法が考えられる。 

① 学校跡施設用地に病院を仮設し、現在の病院建物を改築して増床する。 
② 学校跡施設用地に新築移転して増床する。 
③ 現在の病院建物のほかに、学校跡施設用地に別棟を建てて増床する。 
これに関しては、「学校跡施設活用検討会議報告書」のなかで、学校跡施設に求められる活用機能として、「病院の建替え時の種地等の確保」がその一つにあげられている。 
ただし、現敷地の建ぺい率や容積率は、都市計画法上の「一団地の住宅施設※4」の規制の他に、建築基準法86 条の「一団地の総合的設計※5」の制限も受けており、複雑な法体系となっている。 
東京都が決定する内容も含むため、区だけでなく、多方面との協議が必要となる。 
また、学校跡施設用地を利用して増床する場合、土地の法的制約に加えて、下記の課題がある。 

① 学校跡施設用地に病院を仮設し、現在の病院建物を改築する場合 
・仮設の建設費、現建物の改築費、移転費、患者療養環境の一時的変化等 
② 学校跡施設用地に新築移転する場合 
・医療機能の増強の可否、増床の可能性の有無等 
③ 現在の病院建物のほかに、学校跡施設用地に別棟を建てる場合 
・外来と入院機能を分離する等の方策も考えられるが、運営上の非効率となる可能性がある。 
なお、今後、日大光が丘病院の増築・増床を行っていくには、病院の意向等を把握してい 
く必要がある。 



3 順天堂大学医学部附属練馬病院の増築・増床等 

(1)順大練馬病院の練馬区での位置づけ 
日大光が丘病院が平成3年4月1日から「練馬区医師会立光が丘総合病院」を引き継いで300床で開院したが、病床不足は依然として解消されない状況にあった。 

区は医療過疎ともいえる状況を改善するため、平成元年以降、区民や区議会と一体となって、区内の病床確保が可能になるよう、国や東京都に対して重ねて区の実情を訴えてきた。 
こうした動きが、平成10 年度の東京都保健医療計画の第二次改定に反映され、区西北部保健医療圏における増床が可能となった。 
そこで、区は誘致方式による病院整備を進め、平成13 年12 月に運営主体を学校法人順天堂に決定し、平成17 年7 月に順天堂大学医学部附属練馬病院が高野台三丁目1 番に開院した。 

区と学校法人順天堂との間で締結した基本協定においては、新病院は、地域における中核的な役割を果たす病院として、練馬区内の医療提供体制の向上を図るために設置するものとし、以下の性格、機能を有するものとされている。 

(1) 公的な目的と機能を持ち、救急、小児、災害時医療の他、脳血管疾患、心疾患、悪性新生物に対する医療およびリハビリテーション医療を重点として行う病院であること。 
(2) 総合的な医療機能とともに、高度医療機能を持つ病院であること。 
(3) 地域医療における中核的な機能を持つ病院であること。 
(4) 区の地域保健医療施策に協力する病院であること。 


(2)順大練馬病院の現状と課題 
一般病床400 床を有し、臨床研修病院、災害拠点病院の機能を担っている。 
外来患者数は 
一日平均約1,200 人で、病床数の3 倍であり、救急患者のうち約60%が成人となっている。 
国民健康保険加入患者動向調査によると、入院外来ともに区民の受診数が一番多くなっている。 
救急医療では、24 時間対応の二次救急医療施設としてICU を有するとともに、小児医療・小児救急もNICU3 床を含む25 床の小児病棟を設置し、24 時間対応している。 
がん医療では、手術療法、化学療法のほか、がん治療センターを設置し、PET による診断、リニア 
ックによる放射線治療を実施している。 
脳卒中医療では、脳卒中急性期医療機能を担い、t-PA 
治療による早期治療を実施している。 
急性心筋梗塞医療では、CCU を設置し、重症患者に対 
応している。 

区民アンケート調査では、「高度・専門的な医療」「救急医療の充実」を望む意見が多い。
今後も、現在の医療機能を維持するとともに、特に救急医療、周産期医療、小児医療のさらなる充実が求められる。 
しかし、平成19 年の病床利用率は96.5%、平均在院日数は11.6 日となっており、さらに病床稼働率を高めることや平均在院日数を短縮することで受入患者数の増加をはかることは難しい。 
したがって、今以上の患者を受け入れるためには、増床が必要となる。 
しかし、現施設は、現敷地の建ぺい率および容積率から許容される最大限の延床面積を有しているため、増築は困難である。 
このため、病院の隣接地に病院機能を補完する関連ビルを建設し、管理部門を移転し、外来診療スペースを拡充している状況である。 

(3)順大練馬病院の増築・増床の可能性 

増築・増床をするには、下記の方法が考えられる。 
① 近隣の民有地を活用して、別棟を建てて増床する。 
② 近隣の公有地を活用して、別棟を建てて増床する。 
今後、順大練馬病院の増築・増床を行っていくには、区民の要望の高い救急医療、小児医療、周産期医療、がん医療等の機能の面も考慮しつつ、病院の意向等を把握していく必要がある。 
また、平成19 年3 月に作成された「練馬区災害時医療救護体制構築に係る調査検討報告書」において、順大練馬病院の災害時の医療救護対策として近隣の公有地の活用があげられていることから、これも合わせて検討していく必要がある。